2011年2月8日 道州制実現推進委員会用資料 小俣 一郎

 

私案「大統領制型道州制」

(名前の理由:日本をあたかも「大統領制」の国のように変える道州制)

                ⇒トップリーダーを直接選挙で選ぶ制度

 

☆日本を東西2つの州(東京州・大阪州)からなる「道州制」の国に変え、一国の大統領にも匹敵する力を持つ各州知事を直接選挙で選べるようにする。

(東京・大阪を使った理由:世界的に知られている名前である

州間の善政競争を、対抗意識をより刺激すると思われる)

・東京州と大阪州という、巨大な地域国家を誕生させ、道州が東・西日本を、基礎自治体が各地域を、『自主・自立』を基本として運営する『分権型国家』に日本を変える。

・都道府県は廃止し、政治の運営主体を「国」「道州」「基礎自治体」とし、その役割を見直し、再配分する。

・国は、国家的見地から統一的に行わなければならないことのみを担当し、それ以外の、現在、国が抱えている権限と財源の多くは、「道州」に移す。

(現在、国に集中している「権限」と「財源」を「国」と「州(東京・大阪)」に分ける。)

                   ↓

・日本は、中央集権の国から、国・東京州・大阪州という3つの政治的な極を持つ国に変わる。

 

☆役割分担の全体像

・現在の国の役割を、2つに分け、「国」と「州」で分担する。

   ⇒国は、外交・安全保障・司法と年金・基準統一等を担当。

その他の一般内政は、州が担当する。

・現在の都道府県の役割の多くは、「基礎自治体」に移す。

   ⇒全国に多数の「現在の政令指定都市に匹敵する基礎自治体」が誕生する。

・基礎自治体の中に、新たに「福祉自治区」を設け、住民に身近なサービスはそこが担当する。

   ⇒より身近なサービスを担当する新たな仕組みをつくる。

 

☆ポイント

1.国政の仕組みを根本から変えるような大改革だが、憲法を変えずに行える。

2.州知事という首相に並ぶトップリーダーを直接選挙で選ぶ。

州知事には4年の任期が担保されるので、州知事は、住民の支持と4年の任期を背景に思い切った政策を打つことができる。政治が安定する。

・直接選挙になれば、住民の意識も変わり、また、「選んだ者の責任」もより問われることになる。

有能なトップリーダーが選ばれれば、そこには多くの権限が集中するので、政治決断のスピードも格段に上がり、政治一気に好転する可能性がある

3.「国」「道州」「基礎自治体」の役割が明確になる。

・役割分担が明確になれば、重複行政を防ぐことができる。

・担当が明らかになれば、国民・住民の監視の目も厳しくなる。

・それぞれの選択基準が明らかになるので、国民は多様な選択ができるようになる。

・「基礎自治体」の権限が強くなるので、より住民のニーズに応えることができる

4.議員・首長の数が大幅に減らすことができる。

・数を減らして、その質を高めることができる。

・これを機に、議会の運営方法を変えることできる。

・続けて行うべき「公務員改革」の先兵となる。

 

【具体的には】

(全体として)

・47都道府県を廃止して2つの州に再編し、日本の政治の運営主体を「国」「道州」「基礎自治体」とする。

・「国」「道州」「基礎自治体」の役割を改めて見直し、それぞれが担当する役割を明確化する。

  <例> 

   国=1.国際公共財、2.国民基本サービス、3.ルール設定・監視、4.調査研究

   州=1.警察、2.公共事業、3.環境保全、4.災害復旧・危機管理、

5.産業・労働・雇用対策 {6.地域間格差調整 {7.経済外交

基礎自治体=1.福祉関係、消防(含む救急)、3.保健衛生、4.教育文化、

5.まちづくり、6.公害対策、7.戸籍・住民基本台帳 {8.文化外交

                    (道州制推進連盟HPより)

(注:{ }部分は小俣追加)

 

(国)

・国は、外交・安全保障・司法・年金等々の国家的見地から、統一的に行わなければならないことのみを行い、引続き国会、内閣が担当する。

・導入後の中央省庁 <例>

   総理府・外務省・防衛省・財務省・法務省・生活環境省・総務省

                       (江口克彦氏著「地域主権型道州制」より)

・他の省庁は、地方出先機関はもちろん、本省も総務省の中に残る部分を除いて、各州に移行する。

 

(道州)

・道州は、50ヘルツと60ヘルツという電気の周波数を境として分け、東は東京州、西は大阪州とする。

   東京州=東京電力・東北電力・北海道電力

   大阪州=関西電力・中部電力・北陸電力・中国電力・四国電力・九州電力

・道州では、「州知事」及び「州議会議員」を直接選挙で選出する。なお、議会は通年開催とする。

・州を治めるために、都道府県庁を吸収した新たな「州庁」をつくる。

・州都は当面、東京と大阪とする。ただし、その後の移動は州独自の判断とする。

・道州内の地域間格差の調整は、原則、道州が独自に行う。

・東京・大阪の各州から、将来、新たな「道州」が分離独立することも認める。

 

(基礎自治体)

・基礎自治体は、現在の市町村の役割に都道府県の役割が追加されることになり、ちょうど、現在の政令指定都市の姿をイメージとして想定することができる。

⇒そのくらいの「権限」「財源」を持つ。

・経過措置として、現在の市町村と、現在も首長・議員を選挙で選んでいる東京23区を基礎自治体とし、名称は「市」に統一する。

・基礎自治体は、「市長」及び「市議会議員」を直接選挙で選出する。なお、議会は通年開催とする。

・「市」は、地区の運営主体として「福祉自治区」を設定することができる。

・当該福祉自治区は「地区委員」を直接選挙で選び、さらにその互選で「地区長」を選びその運営に当たる。ただし、「地区委員」は原則、日当制とする。

 

・「市」の人口規模は、30万?〜100万?を基本とする。

・横浜市等、それより多いところは、将来分割することを原則とする。

・それより少ないところは、将来近隣の市と合併することを原則とする。

 

・合併ではなく、地域間協力で対処する場合は、名称を「市」から「町」に変更し、 協力地域で新た に基礎自治体に対応する「群」を作り、「町長」の合議で運営する。なおその際、町長の互選により「郡長」を選び、郡長をその代表とし、運営の中心とする。

・「郡」における「町」との役割分担は、「郡」独自に決定することができる。

・「町議会」を通年にするか否か、日当制にするか否かは「町」が独自に決定する。

 

道州の直接管理下に入ることを希望するところは名称を「村」に変更し、首長の直接選挙は行わず、村議会議員の互選で「村長」を選ぶ。なお、「村議会」は必要に応じて開催され、原則、日当制とする。

・「村」が独自に行う機能は、道州議会により決定される。

 

(議員数)

 ・衆議院議員  480名⇒ 250名、小選挙区制    (現在の約半分)

 ・参議院議員  242名⇒  80名、各州定員20名の大選挙区制、半数改選。

20×2×2

 ・各州議員 約2800名⇒ 500名、各州250名×2 (現在の衆議院の約半分)

 ・市議会議員等     ⇒ 現状を基本に、適正な人数を検討

 

(首長)

 ・州知事     47名⇒  2名

 ・市長等           現状

  (東京23区首長を含む)

 

(公務員)

 ・国家公務員  A.国に残る機能に従事している者は、国家公務員として残る。

         B.A以外の者はすべて州に移る。

 ・都道府県職員 C.州に残る機能に従事している者は、州職員となる。

         D.C以外の者はすべて基礎自治体(=市)に移る。

 ・市職員等   E.現状

  (東京23区職員を含む)

 

☆特徴

1.「道州制」であるが、細かく道州に分ける道州制ではない。

2.内政に関して言えば、「州(=国)」と「市」の「二層構造」と言えないこともない。

3.「首相公選制」を別の形で実現したようなものでもある。

4.国会を含めた「議会改革」の性質も持つ。

5.議員・首長を含めた「公務員改革」でもある。

6.政治における「ボランティア活用」という新しい制度も取り入れる。

7.さらなる道州制、「地域主権型道州制」等に進化する可能性もある。

               

  いろいろな問題意識を持った人々を結集できるかもしれない。