大統領型東西二分割道州制案(意見)

 

小俣さんへ

23・3・9    平岡 昭三

 

昨日の道州制委員会での貴提案の「大統領型東西二分割道州制案」への

私の意見を下記します。

 

《一)貴方の説明は次の如くであった。二つの新しい道州に対し、国家の権限に近い

強力な権限を渡すのであるが、州議会に責任を持たす意味で、州の予算の立案権

は州知事でなく、州議会に渡す。州議会はゼロからのスタートになるが、国会と政府

の仕事が権限委譲で大幅に減るから、其処の余剰人員を州議会に持って行くなど

すれば、其処での立法は可能であろう。そして州知事には法案の立案権は渡さず

議会の立案する法案に対する拒否権及び行政の執行権のみを与える。

 米国の大統領と国会との関係も、そのようになっている。之こそ私が「大統領型

道州制」を強調する所以である。このように議会と首長との関係を取り決めれば、

今日本各地で起こっている議会と首長とのギクシャクした関係も改善されるであろう。

 

《二)私はそれに対し、次のように思う。その説明だけでは誰も納得し難いであろう。

米国の大統領制は、概ねそのような形になっているにせよ、それには何百年の歴史

の上に培われたものであり、上下両院と大統領と政府の三者関係については種々

細部の具体的積み上げがあったであろうから、その点をよく調べ、これこれだから巧く

行くのだと言う所を説明する必要があるだろう。 そして大きな権限を州に与えておき

ながら、州知事の権限は法案への拒否権と行政執行権のみという事については、

よほどその具体的あり方を丁寧に説明する必要があるだろう。

 又、逆の面で言えば、中央集権制の過度の権力集中を嫌って、道州制を取った

にもかかわらず、州に権限が集中し過ぎると、同じ弊害が出かねないので、州の

権限を基礎自治体に散らすなどの説明も十分にする必要があろう。

 

《三)本案によって、国会の権限を大幅に削減する事になるのだから、いっその事

参議院を廃止することにすれば、ネジレも一挙に解決するから、そういう案にしては

如何。それが無理なら参議院の権限を、このように制限すればネジレがなくなる

という具体案を提起すべきである。参議院を地方の代表団にするするとあるが、

殆どの法案は地方に関係するから、別の括り方をする必要があろう。勿論ここ

では衆議院の立法権限も、具体的に策定せねばならないだろう。

 

《四)新しい東西二分割道州制案には、従来の各種の十数分割道州制案に

比し、多数のメリットが考えられる。それらを項目別に一覧表にして対比し、その

利点を説明すれば説得力が増すであろう。

 

《五)従来の各種の道州制案の内容を記載した関係図書には、各種の角度

から多面的に見た説明があるが、本案も最終的にはこれ等と同様多面的説明

を整備していく必要があろう。

 

《六)以上当面気づいた点を述べたが、これ等の諸点に配慮して今後の作業を

進めていただければ、私も貴案に基本的に賛成いたします。今後とも折角の

ご努力を期待致します。   以上