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━━━生活者通信メルマガ版━━━ 平成27年1月1日 Vol.126 ━

アベノミクスかアベノイリュージョンか
            ......政治を難しく考える必要はない

                       生活者主権の会 岡戸 知裕

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■政治の要諦...誰が政治の主人公か?

一部の大企業とその従業員だけが潤う円安だが、一般大衆は物価の
上昇で実質賃金が下がってしまっている。政治の要諦は普通の生活
をしている一般市民の生活をどうやって向上させるかにある。
 アベノミクスはその点において原理的におかしい。

■デフレからの脱却

インフレ率2%達成の為の日銀による異次元緩和は、過去にゼロ金
利政策までやって景気回復効果がなかったことを、再度証明しよう
としているに過ぎない。
簡単に言えばバカの一つ覚えだ。
本来景気回復による2%であって輸入物価値上がりによる2%では
ない。
副次的な円安効果で一部輸出産業は潤っているが、ソニーなどすで
に海外展開を終えている企業にとり円安はマイナス材料になってい
る。
増税と輸入食料品の値上がりによる実質賃金の減少でGDPはマイ
ナスに転落している。この段階においてもアベノミクスは破綻して
いる。

■今一番の問題は如何に最悪の財政状態を改善するかという方策を
政党が示すこと。

維新の党が一番肝心な問題の解決策を示しているに過ぎない。本来
最大の野党である民主党が最悪の財政状態から如何に抜け出すかの
方策を国民に示すべきだ。
早い話民主党は第二自民党だ。民主党も抜擢主義でないと党勢を回
復できない。
長妻氏の党首選への出馬を期待したい。

■答えは橋下氏が持っている。

日本株式会社は倒産寸前ということを国民が一番感じている。よっ
て国民が一番求めているのは財政再建の方策なのであって、この点
についてどこの政党も明確な答えをもっていない。学者もメディア
もない。
税金の使い方を見直す必要ありで、会計検査院ではなく、官僚では
ない独立した民間組織が税金の使い道を精査すべきだ。
会社の再建となるとまず人件費削減から始まる。官僚機構というも
のは戦前の日本の軍隊のように宿主を食い尽くす寄生虫のごとく無
限に拡大してゆくものなのだということを肝に銘ずるべきだ。
  
■異次元金融緩和...いつか来た道

これは瀬戸際作戦である、おそらく財政節度というものが全くなく
なる始まりになるだろう、丁度高橋是清暗殺後の日本のように。戦
前の軍部は国債が国内で消化される限り問題ないという見解であっ
た。その見解をもって中国大陸に深く進攻してゆき、ベトナムとい
う虎の尾を踏んで真珠湾に繋がる。太平洋戦争の反省と総括をしな
かった国民は、又いつか来た道に再び迷い込むだろう。
アベノミクスの定義といえば、この異次元緩和と財政支出でしかな
く、これをもってアベノミクスとは実に詐欺的だ。
要するにAbenomicsではなくAbenoillusion(安倍の幻想)だ。
戦前の帝国陸軍参謀本部のように幻想の中に浸っている組織が日本
をリードするなど絶望的だ。

■未来に対するvisionがない

VisionがないのでIllusionにならざるを得ない。
当然幻想をまき散らしているだけであって将来のvisionがない。
今やinnovationの時代であるし、Shumpeterの時代だ。

■最後に...集団的自衛権について

これは議論するまでもない問題だ。
増大する中国の軍事的な脅威に対抗するには米国との密接な軍事的
連携が欠かせない。
明治大正時代の日本の繁栄を支えたのは日英同盟であったし、戦後
は日米同盟だ。
北朝鮮に拉致された外国人は日本人と韓国人ばかりで、米国人、ロ
シア人はいない、つまり軍事力の問題だ。軍事力があってもその力
を正当な目的に行使できないような憲法とその解釈では北朝鮮に舐
められることはあっても拉致被害者を取り戻すことはできない。
強力な軍事力のない民主主義国家などあり得ない
                                  ―ウィンストン・チャーチル


「著者・岡戸知裕氏関連のHP」
http://www.seikatsusha.org/ne/ok/


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(マガジンID:0000146184)

−「創刊号」 2005年01月01日発行−
≪2005年05月01日現在読者数:1342名≫


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