<生活者通信メルマガ版>「メルマガ送付のご希望」 「バックナンバー」 (2)━━━生活者通信メルマガ版━━━ 令和3年12月11日 Vol.155 ━ 今からでも遅くない:リニア新幹線は中止すべきである 生活者主権の会 河登 一郎 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.リニア新幹線とは、 1)品川―名古屋間を約40分(完成予定2027年)、品川―大阪間を 約67分(同2045年)で結ぶ構想。 2)時速500kmの超高速で走る。そのための技術として「超伝導」を 使う。世界に類を見ない技術である。 3)反面、コストは異常に高く、環境;技術;安全など問題山積 (後述)のまま工事は2016年に始まった。 2.問題点: 1)極端に金がかかる。9兆円+αもかかる。過去の例よりその2倍 近くかかるのではと言われる。 ・事業主であるJR東海は最初から「リニア新幹線は儲からない。 赤字事業である」と社長。 ・元会長の葛西敬之が、安倍元総理と親しいことを利用して、3兆 円もの特別融資を引き出した。無担保で30年据え置き、その後 の金利は0.8%。この極端な条件は安倍が国会にかけず、閣議に もかけず、独断で決めた。 2)環境面への配慮が全く不足: ・ユネスコのエコパークに登録された、南アルプス(生物圏保存地 域)を深くトンネルを掘ることで大型自然破壊や動植物への災害 などさまざまな問題が生じているが多くの情報は公開されていな い。 ・全ルートの90%弱に当たるトンネルを掘った膨大な残土の処分先 は殆ど決まっておらず、長さ500m*高さ70m*幅300mも積み上 げる。最近問題の「盛り土」のお化けが多数できる。 3)安全性への配慮が不足: ・500km/時の強力な磁場には人体に及ぼす「負の影響」があるが、 説明はされていない。500km同士のすれ違い(1000kmに達する) の実験も行われていないようである。 ・南アルプスの中央構造体には複数の活断層が走っている。 ・大量のセメントが必要になる。石灰岩の山がいくつか崩され、大 量のCO2 を排出。 4)膨大な電力が必要となる。2050年カーボンニュートラルに取っ てマイナス。 ・従来の新幹線で必要とされる電力の4〜5倍は必要であり、原発 2基が必要。 5)静岡県の「水問題」:川勝知事(他)が工事による大井川の水 の減量を問題としているが、これに対するJR東海の対応が、 およそ非科学的・且つ強権的で未だに了解が取れていない。 ・安全神話と情報隠蔽は、電力会社(原発)とおなじ構造。 6)レアーメタル・ヘリウムを大量に使う: ヘリウム生産国は、 アメリカ他4カ国のみ。高値/供給不安。 7)本事業反対訴訟が複数提起されている: 国交省のリニア着工認 可取り消し訴訟、大深度地下使用許可の無効確認訴訟、大井川流 域住民:工事差し止め訴訟、その他。 8)ポストコロナの時代にふさわしくない: ・今後長期にわたってコロナまたはそれに代わる大災害が継続して 襲う時代になっている。 ・デジタル革命/オンライン会議/リモートワークなど、仕事の進 め方も革命的に変化する。このような時代に名古屋まで40分; 大阪まで67分の超特急で急ぐ必要があるのか。 ・仮に完成した場合、東京1極集中が一段と進む←地方分権という 時代の要請と逆行。 ・元開銀調査部長/アラバマ大学名誉教授橋山氏:「本事業ほど、 不確定要因が多く、多くの困難とリスク(経済的・技術的・環境 面)を抱えた事業は世界中を探してもまず存在しない。」 3.今からでも遅くない。このような事業は中止すべきである。 ・以上のように問題だらけの事業である。 ・しかし事業はスタートして既に5年経過してしまった。 経費も 1兆円は使ったという。 ・1兆円ならまだ安い。このまま進めれば、何十兆円も無駄遣いに なるよりまだ安い中に中止すべきである。 「著者・河登一郎氏関連のHP」 http://www.seikatsusha.org/ne/ka/ |
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