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━━ 平成18年3月14日 Vol.33 ━━━━ 毎月1日・14日発行

急げ!道州制の実現を
            生活者主権の会副代表(道州制推進担当)岡部俊雄

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 道州制の実現を急がなければならない。

 先般の国土開発幹線自動車道建設会議の結果を見て、その方向で
急がなければならないことがはっきりしてきた。国が以前から計画
していた高速道路9,342km全てが造られることになってしまったか
らである。無駄な道路をこれ以上造らないことを目的にした道路公
団民営化だったのではなかったのか。

 そもそも45年後には収入源がなくなる株式会社を作ってみたり、
将来経営が成り立たないことがはっきりしている会社の株式を上場
すると言ってみたり、民営化会社会長になって公団総裁時代より逆
に給料が上がったりで、全くインチキな民営化であったが、これほ
ど国民をバカにした、また、欺いた「官から民へ」や「改革を止め
るな」もないものだ。

 族議員、官僚、業者に自治体までもが加わったスクラムに、言葉
だけが踊っていた小泉首相は簡単に蹴散らされてしまった。国家の
操縦者たるべき首相のリーダーシップは何処へ行ってしまったのか。
中央政府は完全に統制力と自己制御力を失ってしまった。

 一日も早く我が国を、統制力があり自己制御できる政府の手に渡
さなければならない。その政府とは管理のサイクル(Plan-Do-Se
e)を自分で回すことができ、所定の地域内のすべてのことを自分
の責任で経営することができる政府である。

 先般、地方制度調査会がまことに時宜を得た答申をまとめた。道
州制の導入に関する基本的考え方を示したものである。この答申を
土台に国民的議論を盛り上げ、一日も早く道州制を実現し、財源と
権限を持った新しい道州が自分達の責任で自分達の道州を経営する
という新しい国家を創造しなければならない。

 政党は中央官僚の強烈な抵抗を視野に入れ、国民の負託を受けて
いることを自覚して、速やかに議員立法で地制調も求めている道州
制推進基本法を策定してもらいたい。

 最早国家のことも地域のことも、縦割りでしか物事を考えられな
い、既得権にしがみついている中央の族議員や官僚と、それにただ
ブラ下がっている自治体が健全に判断できるほど単純な事柄ではな
くなっている。道路を有料にするか、税を投入して無料開放するか、
または、道路より教育や福祉に税を投入するかは道州や基礎自治体
が経営者の立場で責任を持って考えなければならない。

 国と地方を合わせた借金は既に1,000兆円にも達している。最近
若者が「自分達の年金や福祉のことを言う前に、自分達が作った借
金は自分達で返しておいてくれ。俺達に借金を残さないでくれ。」
と言っているのを聞くことがある。まことにもっともな言い分であ
る。しかし、今の中央の族議員や官僚と、それにブラ下がっている
自治体でこのことが解決できるとは到底思えない。彼らは「その借
金は道路や他の箱物という資産にちゃんと変えてある。借金はきみ
達やきみ達の子や孫で返してくれ。」とうそぶくだけである。先般
開港した不採算空港といわれている神戸空港の2,108億円の借金は、
いったい誰が返すのだろうか。

 新しい自立した地方がその地域のことを主体的に判断し、実行し、
その結果を見て責任を持って軌道修正することができる体制を作り
上げ、それぞれの地方が活力を競い合うような仕組みを作ることが
必須となっている。そしてその活力のみなぎる地方の集合体として
の健全な国家を早急に作らなければならない。

 今、我々国民が踏み切らなければならない最大の仕事である。

 急げ!道州制の実現を。

「著者・岡部俊雄氏関連のHP」
http://www.tatunet.ddo.jp/okb/
http://www.seikatsusha.org/ne/okabe/

生活者通信メルマガ版 (マガジンID:0000146184)
ー「創刊号」 2005年01月01日発行/2005年05月01日現在読者数:1342名ー

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