<生活者通信メルマガ版>「メルマガ送付のご希望」 「バックナンバー」 (2)━━ 平成18年6月1日 Vol.39 ━━━━ 毎月1日・14日発行 居住地の集中化を 生活者主権の会 岡部 俊雄 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 地方において人の居住地の集中化が必要になってきている。 我々は現在東京に一極集中している権限、財源、機能を地方に分 散し、地方の自立を促すことが日本再生の道だと主張し、道州制の 実現もその流れの中で推進している。 この地方分権の流れの中で我々は地方は自立意識をしっかり持つ べきだ、ブラ下がり意識を捨てよと主張している。 しかし、地方では自立意識以前の事態が起こりだしているようだ。 今年の豪雪で孤立した地区の老人が雪掻きをしている姿をニュース で見て、この地区を今後とも人の住む場所として健全に維持するこ とができるだろうかと疑問に思っていたら、先日テレビで能登半島 の小さな集落が、集落ごと先祖伝来の土地を捨て、跡地を産廃業者 に売却し、最終処分場にしてもらう交渉をしているという報道を見 た。 その集落は老人のみの8世帯、10人で、若者が戻ってくる見通 しは全くなく、病気になった時のことなどが心配で、売却資金を転 居費用に当て、全員それぞれ近くの町に出て、今より便利な環境に 住みつきたいということだ。 これからの日本は高齢化が進むと同時に人口が減少する。 かつて、若い労働力で充満し、活気あふれる高度成長時代では、 我々は日本のどこに住んでいても似たような生活ができ、いずれ同 程度の利便性も与えられるものと思っていた。 それが全く変わってしまった。 国も地方も財政はますます逼迫してきており、住民一人当たりの 行政コストは更に大幅に引き下げなければならない。少人数が住む 辺ぴな集落を町並みの便利さにすることなど思いもよらず、現状維 持すら間違いなく困難になるだろう。 そこに住む人達にはまことに気の毒なことであるが、先祖代々の 土地を捨て、墓を掘り起こして町に出て来てもらうしかないだろう。 高度成長時代には大規模工業地帯や都市部にあった工場を工場再 配置法なるものにて地方に分散させた。 しかし、今度は逆に辺ぴな所にある集落の住民を町に集中しなけ ればならない。日本全土に人の住む場所を定め、人をそこに集中し、 そこでは老人が一人でも安心して住むことができる一定のインフラ を整備するようにしなければならない。 辺ぴな所に住み続ける人の面倒を見る財力は、もう国にも地方に もない。 それでも辺ぴな所に住みたい人はそれこそ自己責任で、行政に頼 ることのないようどんな形であれ自活してもらわなければならない。 今迄人が住んでいた辺ぴな所には、これからは他の動物が住むよ うになるだろう。 こういう状態を視野に入れて、地方が主体的に推進する「居住地 集中化促進法」のようなものを早急に立ち上げ、しかるべき誘導措 置を講じるべきだと思う。地方に自立せよと言う前に国が対応して おかなければならない課題ではなかろうか。 中央から地方への分権、分散と並行して地方での人の居住地の集 中化を早急に進めなければならない。「著者・岡部俊雄氏関連のHP」 http://www.tatunet.ddo.jp/okb/ http://www.seikatsusha.org/ne/okabe/ |
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