<生活者通信メルマガ版>「メルマガ送付のご希望」 「バックナンバー」 (2)━━━生活者通信メルマガ版━━━━平成19年7月1日 Vol.56━ やはり政権交代が必要だ! 生活者主権の会代表 小俣 一郎 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この1ヶ月で年金問題が一気に表面化し、安倍首相が仕掛けた憲 法改正問題の争点化は完全に弾き飛ばされてしまった。劇的な変化 である。 今回の「消えた年金」問題は、民主党の長妻昭衆議院議員が1年 も前から取り組んできた問題で、あきらめずに追求を続け、ついに 政府・社会保険庁の厚い壁に穴をあけ、それを明らかにした。 5月末になって、内閣支持率の低下に焦った政府与党は慌てて対 策を打ち出したが、場当たり的で国民の支持を得るには至らず、支 持率は上がってこない。そこで安倍首相は年金関連法案等を通すた めとして国会の会期を延期し、参議院選挙の日程を1週間遅らせる という異例の決断をした。 しかし、この問題は昨日今日わかった問題ではない。新聞報道に よると安倍首相も昨年12月の段階ではこの問題を認識していたとい う。ならばなぜそのときに対処しなかったのか。もしそのときに適 切に対処していれば、今回のように慌てて対策案を出し、強行採決 をするような愚かなことはしなくても済んだわけである。しかも、 安倍首相はかつて自民党の社会部会長も務めた厚労族の重鎮である。 今回の年金問題で改めてわかったことは、やはり政権の交代が必 要だ、ということである。 先の総選挙で自民党は変わったと当時の小泉自民党総裁は大見得 を切った。しかし自民党が本質的には変わっていないということを 今回の件は象徴的に示している。もし小泉改革で自民党が本当に変 わっていたのであれば、長妻さんが追求する前に自らその問題点を 明らかにできたのではないか。少なくとも、半年前に認識した段階 では対策を講じる方向に動くことができたはずである。 もし、長妻さんや民主党にパワーがなく、政府・官僚の厚い壁に 穴をあけることができていなかったら、多くの国民は年金のいい加 減さをいまだに知らなかったわけで、この問題は先延ばしにされて いたわけである。考えるだけでぞっとする話である。 今回自民党は、当初、基礎年金番号設計時に厚生大臣であった菅 直人民主党代表代行に責任を転嫁しようとした。しかし批判を受け て、今では前面には出してはいない。 ところで、この菅厚生大臣という言葉を聞いて年金を思い出す人 がどのくらいいるだろうか。菅厚相といえば、年金ではなく、やは り「薬害エイズ問題」である。 菅さんは厚生大臣就任早々、厚生省に強力な指導力を発揮し、資 料を公開させた。そして国の責任を認め、被害者・遺族に謝罪をし、 和解を成立させた。これによりその名は一躍有名になったわけであ る。 ではなぜ菅さんにそれが可能であったか。もちろん個人的な資質 もあっただろうが、自民党員でなく、過去のしがらみがなかったこ ともその大きな理由であろう。それゆえにそれまでの厚生行政を覆 すことができたのである。 もしいま、柳沢厚労相ではなく、菅厚労相であったならば、この 問題に対する対処はどのようになっていたであろうか。政府はいま だに正確な資料を公表していないが、菅厚労相であれば、半年前の 段階で厚労省、社会保険庁に資料を出させ、膿みを出す方向に舵を 切ったのではないだろうか。 戦後ほぼ一貫して与党であった自民党は、与党であるがゆえに、 過去のしがらみに囚われる。自民党には、自ら作り上げてきたシス テムのひずみを自らの力で積極的に解明し、改善することはやはり 無理のようである。 戦後の「自民党政治」の負の遺産を一掃するためにも、日本の政 治が新しい段階に進むためにも、やはり早期の政権交代が不可欠で ある。「著者・小俣一郎氏関連のHP」 http://www.seikatsusha.org/ne/omata/ |
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