<折に触れ 四字熟語>

   NO.80 【落花流水】 らっか りゅうすい


< 意味 > 落ちた花が水に従って流れる意で、ゆく春の景色。

      転じて、物事の衰えゆくことのたとえ。

      時がむなしく過ぎ去るたとえ。別離のたとえ。

      また、男女の気持ちが互いに通じ合い、相思相愛の状態にあること。

      散る花は流水に乗って流れ去りたいと思い、流れ去る水は落花を乗せ

      て流れたいと思う心情を、それぞれ男と女に移し変えて生まれた語。

      転じて、水の流れに身をまかせたい落花を男に、落花を浮かべたい

      水の流れを女になぞらえて、男に女を思う心情があれば、

      女もその男を慕う情が生ずるということ。



出  典 : 高駢(こうべん)の詩



表  現 : 落花流水のごとく互いに惹(ひ)かれる。



用  例 : 笑みとは何ぞ夢にも忘れて知るものは人生の憂という憂きの数々来る

      ものは無意無心の春夏秋冬落花流水ちりて流れて寄せ返える波の年

      又一年今日は心のとけやする明日は思いの離るべきやは 

      <樋口一葉・別れ霜>



一  言 : 花シリーズ その3

      『流水落花』とも言います。

      私がこの四字熟語を見たとき、字面だけで解釈して一朊の日本画を

      観るような美しさを感じました。しかし、後日、三省堂『四字熟語

      辞典』で知ったとき、こんなに深遠な意味があったのかと感動した

      のを覚えています。わずか四字の漢字の中に、連綿とした恋愛感情

      を読み取ることができます。

      岩波書店『四字熟語辞典』の意味欄末尾には『・・・片思いならば

      『落花情あれども流水意なし』となる。』とあります。



参照文献 : 三省堂『四字熟語辞典』 岩波書店『四字熟語辞典』

  

                          30・7・1 舛本 純