<折に触れ 四字熟語>

     NO.98 【天長地久】 てんちょう ちきゅう

< 意味 > 天地の存在は永遠であること。天地が永久であるように、物事がいつまでも
      続くことのたとえ。

< 出典 > 「老子」7章	
      『天長地久。天地所以能長且久者、以其不自生。故能長生。是以聖人、
       後其身而身先、外其身而身存。非以其無私邪。故能成其私。』

読み下し :『天は長く地は久し。 天地のよく長くかつ久しきゆえんは、その自ら生きざ
      るをもってなり。故によく長生す。ここをもって聖人は、その身を後にして
      身先んじ、その身を外にして身存す。その私なきをもってにあらずや。故に
      よくその私を成す。』

通  釈 : 天地は、永遠である。なぜ永遠であるのか。それはほかでもない。天地が生
      きよう生きようと努めないからだ。聖人もこれと同様である。ひとに先んじ
      ようとしないために、かえって人の先になる。わが身を忘れているために、
      かえってわが身を全うする。
      自己を没却するからこそ、自己を確立できるのである。

解  説 : 「無私」は「無為」に通ずる。私意を去り、自己を否定することによって、
      自然のはたらきに一体化するからである。無私の功徳の具体例として天地の
      永遠性が引用されたわけだが、この「天長地久」の一句に基づいて、唐の天
      宝年間、玄宗皇帝の誕生日を「天長節」と称した。これにならってわが国で
      も、かつて天皇誕生日を「天長節」、皇后誕生日を「地久節」と命名したも
      のである。

一  言 : 新年明けましておめでとうございます。お正月らしく前向きな熟語を探し選
      びました。

参照文献 : 徳間書店・中国の思想「老子・列子」 三省堂「四字熟語辞典」 
  
                              31・1・1 舛本 純