生活者主権の会生活者通信1999年03月号/10頁

生活者主権の会生活者通信1999年03月号/10頁


生活者主権の会/生活者通信/1999年3月号/10頁......1999年3月号目次へ
……(始まり)……………………………………………………………………………………………………………

            怒 れ る 市 民 ! ! ! 

               東久留米市 上 田 和 俊  (FAX 0424-72-0533)

最近の新聞を読むと、憤りを覚える事 甚だしい。     と思う。助け合ったのは家族や隣近所同士で、個人 世は不景気でありサラリーマン、OL、真面目な勤      を守るのは組織ではない。個人のつながりでしかな 労者と家計を預かる主婦の立場からすると、信じが      いことを学んだんです。」 たい“輩”が多すぎる。中島洋次郎衆院議員が政党       さて、前置きが長くなりましたが私の住む東久留 交付金の使途報告書に虚偽記載をした疑いで逮捕さ      米市の事であるが。ここでも同様の市民感情を理解 れ、結局は辞任を表明した。政党交付金のあり方を      しない市長と議員が存在する。10月18日付けの日本 見直す事が必要である。しかし、自民党を含め交付      経済新聞 春秋欄に掲載されたので、ご承知の方も 金を受け取っている野党も、事態を深刻にとらえて      いらっしゃると思いますが、9月末市議会は、市長 いないのではなかろうか、制度の廃止論を喚起する      と市議会議員の給与引き上げ案を可決し、10月1日 必要があると考える。政党の自立性を重視するから      から実施してしまった。反対討論もない、あっとい には、国の補助は必要ない、政党が国民の意見を集      う間の可決だった。収まらないのはリストラにさら 約し、政治に反映させていく公的な役割を負ってい      されるサラリーマンや家計のやりくりに追われる主 るのでなければ。                     婦たち。「怒れる市民の会」を結成、給与引き上げ  次は、和歌山市の職員採用をめぐる汚職である。      凍結を求める署名運動を開始した。 市長を頂点に、有力な議員と職員が、互いにもたれ       これについて、新潮45にて、作家の水木楊氏が あって市政を私物化してきた構図である。地方自治      経政傾国のコラムにて取り上げておられます。著作 の担い手としての誇りなど、どこにも感じられない。     には、「田中角栄 その巨善と巨悪」「拒税同盟」 自治を実りあるものにするためには、住民自らが不      他多数あります。 断に行政のありようを監視する必要がある。市政を       氏は、自分の住む自治体(東久留米市)の市議会 ゆだねられた市長や議員、職員に危機感のかけらも      を傍聴し、あまりの馬鹿馬鹿しさにひっくり返って ないとするなら、刷新の担い手は、市民一人一人の      しまった。腹を立てることを忘れてしまい、物足り 責任である。出直し選挙において、改革への期待を      なく思っている人がいたら、市議会に行けばいい。 託せる人物を担ぎ出して、当選させることである。      まず 100%腹を立てることができると保証しよう。 当選までいかなくても、政党による候補者への批判      救いは、市民の動きにある。東久留米市に限らず、 票を集結する事ではないだろうか。             全国いろいろなところで、市民が自治体の運営を監  神戸における住民投票条例の制定を求める直接請      視し、非を正す動きが始まっている。良く見ると、 求は、三十万七千七百九十七人の署名を集めて行わ      その中にサラリーマン男性が数多く参加しているこ れた。市長は「住民投票は議会政治の否定」との見      とである、 と紹介しています。 解を表明済である。計画の修正、見直しの必要が生       私も、すぐに怒れる方で、早速この運動に参加し じればそれを審議するのは当然である。計画の最終      ました。現在事務局次長ですが、駅前でビラを配付 段階にあたり、民意が問い直されても何らおかしく      したり、署名のお願いを実施したり、郵便受けにビ はない。この署名の重さに、議会は答える必要があ      ラを宅配したり、青空市民集会では市長、議員への る。有権者の四分の一を超える署名にも市議会の特      公開質問への回答を発表しております。その活動は 別委員会は、賛成少数で否決した。(11月17日)。      読売新聞の多摩の地方欄に掲載されました。12月の  翌18日には、本会議においても賛成少数で否決し      市議会へ向けて署名活動を実施し、3007名の署名を た。市民を代表する議会において、否決されたこの      添えて、請願を提出しましたが、結果は趣旨採択、 事と、四分の一を超える署名、この乖離はどこから      採択ではないので、給与は増額のまま、期末手当も 生じるのであろうか。作家の田中康夫氏が述べてい      新給与に基づいて、12月15日に満額支給、殆どの近 ます「間接民主主義がうまく機能していないから、      隣市が、減額を打ち出している中で、給与は上げる、 もう一回元気を与える なぜ機能しなくなったのか、     カットはしない。これはないだろっ! 普段は、お 一人の人物を選べない時代、相手の考えを百%は理      となしい私も再度、怒りが込み上げてまいりました。 解できない。選挙の時しか会わない人の考えは、な      行政に対し、議会に対して市民は一人一人監視の目 おのこと分からない。一票入れても、自分が考えて      を緩めてはならないと思います。 いたのとは全然違うことを議員がする。住民投票は       今年は統一地方選挙の年でもあり、一票を託す人 問題が一つだから分かりやすい。自分の意見が出せ      の選択を誤ってはなりませんし、ましてや、投票に るわけ。宗教、政党、企業といった組織ではなく、      行かないのは論外であります。市民をなめている、 個々人が運動の基本だ。阪神大震災も影響している      議員、政党に対して、怒りの鉄槌を!!!

   読書のお薦め『 韓 国 の イ メ ー ジ 』 鄭大均(テイ・タイキン) 著・中公新書刊

          世田谷区 澤 井 正 治 

 昨年末に出た比較的新しい本です。生活者通信紙      す。戦後50年を経ても戦中、戦前のイメージにと 上でも二次大戦のあれこれが掲載されております。      らわれているのは両国にとって不幸です。両国の関 本書は「日本のイメージ」の続編とも言うべき書で      係改善は史実を認め合うことから始まります。と言 すが、前作の学術書的な統計データの羅列は少なく      うものです。 、日韓の国民の内面世界に取り組んだものです。日       できるだけ、短い紹介にしました。是非、ご一読 韓はお互いに偏見を持っている。              を。近い将来、鄭氏の講演会を予定しております。  先の大戦で、韓国は被害者、日本は加害者として      小生の友人の友人です。 お互にそのイメージを持ち続けているように思いま                澤井正治 FAX 03-3302-2110  …………………………………………………………………………………………………………(終わり)…… 1999年3月号目次へ