生活者主権の会生活者通信1999年08月号/05頁..........作成:1999年08月21日/杉原健児

ところで「盗聴法」って何?

江東区 阿部悠逸

 今国会における重要法案、通信傍受法(盗聴法)について、与野党見解の一部をQ&A形式で まとめてみました。
 各社世論調査の結果では、賛否両論拮抗していますが、生活者主権の会の皆様は、 どのようにお考えでしょうか。
    【Q.通信傍受法とは、どんな法律?】
 ●自民党: 通信傍受法は、暴力団等の組織的な犯罪を摘発するため、捜査機関による電話等の通信の 傍受を限定的に認めるものです。
 アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、イタリアなど諸外国においては、 すでに通信傍受制度に関する法律が整備されています。
 ●民主党: 1.基本的人権が踏みにじられる!−憲法の「通信の秘密」や「令状主義」に違反し、 国民の基本的人権・プライバシー侵害の恐れが濃厚です。 2.充分な審議が行われていない! −重要な法案にもかかわらず、公聴会開催の約束も反故に し、採決優先の暴挙が行われました。 3.導入する社会的・世界的要請がない! −盗聴では犯罪集団の犯行は防止できず、諸外国からの要請も受けていません。
     【Q.どのような犯罪に認められる?】
 ●自民党: 通信傍受は、対象となる犯罪が麻薬、銃器関連犯罪、集団密航、組織的殺人に限定 されています。これは、限定されたその具体的な犯罪があり、他の捜査手段がない場合に最後の手段 として行うものであり、犯罪にかかわる電話番号等を令状で特定し、(一令状に一番号)その電話等 における犯罪の実行に関連する通話のみが傍受の対象になります。一般の市民がこのような犯罪や 電話に関係することはおよそ考えられません。また、通信傍受は、厳しく制約された裁判官の令状に 基づき、立会人の常時監視のもとに実施される等、その手続は極めて厳格であり、 犯罪と関係のない一般市民の通話が広く傍受されることはあり得ません。
 ●民主党: 暴力団、カルト集団、悪徳商法の会社などと対象を限定しておらず、普通の市民団体、 労働組合、会社などの団体はもちろん、一般の人も盗聴の対象になります。会話の相手になった人も 対象です。薬物・銃器・集団密航・組織的な殺人等に限定する修正では制限できません。 また、裁判官の令状が必要とされていますが、令状を発する段階では盗聴する通信内容を特定できません。 しかも、立会人も盗聴の内容まではチェックできず、切断する権限もありません。 犯罪に関係ない会話もすべて盗聴・記録されてしまいます。違法な盗聴に対する罰則も不十分です。
 【1】令状記載の犯罪についての通信にあたるかを判断するための盗聴(予備的盗聴)
 【2】令状に記載された以外の犯罪捜査のための盗聴(別件盗聴)
 【3】将来犯されようとしている犯罪捜査のための盗聴(事前盗聴)が認められており、 盗聴は際限なく拡大するおそれがあります。
 ★より詳しい資料のご請求は、
     東京都江東区議会議員 阿部悠逸まで
     Tel:03-5626-0481 E-mail:gikai@msn.com

自民党の李登輝出でよ

豊島区 吉井正信

 皆様ご存知のとうり台湾はここ数年の間大きな変革を遂げている。政治改革、行政改革及び経済改革 と大変なスピードで推し進めている。その推進役は李登輝総統です。
 与党国民党の総裁でもある李総統が、旧政権の長老の反対を抑えて改革を進めることは自らの地位を 危うくすることでもある。しかし彼は敢然と立ち上がった。
 1949年中国本土での内戦に敗れた蒋介石総統は、台湾に軍事独裁政権を築き、 台湾出身の本省人を差別し中国本土出身の外省人で政治・行政を支配してきました。蒋介石亡き後、 子息蒋経国総統になってやっと本省人を登用し、李登輝を副総統に抜擢して経済改革に乗り出した。 蒋経国の後継者となった李登輝は外省人で主要ポストを握っている与党国民党を改革し、 海外に流失している有能な人材を呼び戻しました。現副総統の連戦もその一人です。 こうして国民党を把握した李総統は、戒厳令を廃止し政治・行政改革に乗り出した。 それにより現在の台湾の繁栄をもたらしました。
 日本で政治・ 行政改革の必要性が叫ばれて久しいが、遅々として進まないのは与党自民党の 責任でしょう。橋本行革も未だ道半ばで、改革と呼べるほどのものではない。
 現状の政治体制では最も力を発揮できるのは与党であり最多数党の自民党ではないでしょうか。 そこで自民党の李登輝の出現が待たれる。第一候補は田中真紀子でしょう。自民党の奮起が待たれる。

生活者主権の会生活者通信1999年08月号/05頁