スイス旅行随想録 (2)大田区 大谷和夫今回は事前にスイス政府観光局で資料を集めて計画を建て、専門の旅行社に連動して往復の格安航空券、 ホテルの朝食付き宿泊券、15日間のスイスパス(とサービスとして列車の時刻表) だけ頼み、 あとは全部自前の個人旅行の形態とした。 6月7日(月)にスイス航空で成田からチューリッヒ空港まで直行し、列車で中央駅まで僅か12分、 そこからトランクを転がせて5分、今回のベース宿、市電セントラル駅前のホテル・リマートホフに着く。 ここの特色は中央駅に近く、朝食が6時半から可能であり、外泊するときは無料で荷物を預かってくれる ことである。 地図で説明しないと分かり難いとは思うが、又スイスの場合は列車の旅そのものに意義があるので、 何時どこえ行ったか旅行の概要を次に示す。→は主として列車の旅を示し、 市電による移動は省略している。 尚6月は天気が良かろうと思って出かけたが、変わりやすい天気であった。幸いアルプスの ユングフラウヨッホでは快晴に恵まれたが、ルガーノでは小雨で南国情緒にやや欠ける始末であった。 スイス全体で九州位の広さであり、アルプスの連山を始めとして山地が多いとはいえ、 人口は 700万人位である。それにしても鉄道網が発達しており、広い車窓の風景はどこえ行っても 一幅の絵画となる。その上各地に行ったら観光案内所で地図と名所を案内してもらい、 ベースのチューリッヒなど30カ所の名所全てを探索した。(尤も中には昔ゲーテやレーニンが 住んでいた小径などという怪しげなものもあった。) 各地では風光明媚な所、歴史博物館、 産業博物館、美術館、主な教会、市庁舎、マーケット広場、商店街、公園などを歩き廻り、 万歩計一日平均の数字は約20,000歩であった。尚地図で注意を要するのは二次元なので高低差が 表示されていないことである。直ぐ近くなのに急坂で往生したことが再々あった。 次に地図の代わりに各地の位置を簡単に説明する。皆さんは地図を広げて確かめてみて下さい。 商工業、金融の中心地であり、国内最大の都市Zurichはスイスの東北部に位置している。 ここをベースとして西北部の温泉町Baden までは列車で15分であり、西南部の景勝の地であり 連邦発祥の地に近いLuzernや、現在の連邦の首都Bern、西北部の独・仏との国境にある国際産業・ 金融都市Basel 、東部の繊維工業の中心地St.Gallen などはいずれも1時間前後で行ける。 LuzernからInterlakenは距離的には近いが約2時間かかり、そこからGrindelwald まで約30分かかる。 Grindelwald からJungfrawjochまでが約1 時間半、そこからBernまで約3時間半である。 一方St.Gallen からボーデンゼーの景勝の地であるRomnshorn までは25分で行ける。 Zurichより東南部の5000年の歴史を持つといわれる古都Churまでは1時間半、アルプスの峠を潜って イタリアに突き出ている南部のLuganoが約3時間、東南部のロマンシュ語地域の高地St.Moritz が Churから更に約2時間位の距離である。山岳地帯の中を走るので距離と時間は比例しないが、 大体の時間感覚は以上の通りである。
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