朝日新聞「民主党は無害」によせて
神奈川県津久井郡 平岡昭三
平成12年2月11日付けの朝日新聞に東京大学での学生との意見交換の「公聴会」での記事として
「自自公も共産党もいや。民主党は無害だけど、それ以上何にがあるの」、と言った学生の発言を
読んで愕然としました。「総選挙も近い」と言うのにこれでは話になりません。平成12年1月16日の
党大会で新しい活動方針と選挙政策を打ち出しているというのに。その時にも大多数のマスコミが
「基本政策が曖昧」と論評しました。結党以来ずっと継続している共通した見方であります。こんな事
をいわれっぱなしの中で党内で何の反省・議論もおこらない事に疑問と不満を持ちます。
先の党大会の「活動方針と選挙政策」のなかには本当の大事な基本政策がダイヤモンドの如く内臓
されているにも拘わらず、他の小さな枝葉末節の事と並記されてしまった為に埋没し、
「基本政策が曖昧だ」と言われる所以でしょう。ではダイヤモンドとは何か? それは地方自治体に
税財源を移譲して、「分権連邦型国家への転換をはかる」であります。
之こそ正しい立派な「基本政策」なのです。これが実現したときこの国では政治・経済・
社会の在り方、すべてが大改革致します。今、議論されている税制・教育・福祉・環境等々あらゆる
アイテムを白紙から理想の形で整備する事が可能となります。この様な大胆な「基本政策」は他の
どの党も言っていないのです。これを表題だけの枕言葉に終わらせず着実に実行してゆく態度を示さねば
「民主党無害」の批判から抜け出す事は出来ません。
「集権から分権へ」之は21世紀に向けての世界の趨勢であります。然し中途半端な分権は
「集権の亜流」に過ぎません。朝日新聞でも「分権が先き」の社説を載せています。先進諸国の殆どは
連邦制を採用しており今や世界の常識・王道と成っています。
党内の事情を理由に基本政策の、その実行を遅らせては有権者の支持を無くしてしまうばかりか、
一党支配のこの国を改造することが出来なくなってしまうでしょう。改めて「野党第一党・民主党」
の大奮起を望みたいものです。
「うるせーな、ジジイ」ー外野席から観る教育論ー(3)
群馬県高崎市 森 徹(sintetu@po.wind.co.jp)
【第4章:知育と資格】
暗記重視の知育という意味でも、高度成長期の考え方から一歩も出ていない気がする。学校は知識の
詰め込みを今だに強要しているようだ。ニューヨーク州立大数学科卒のあるタレントによれば、
日本とアメリカの大学教育の差の一つに、日本は専門用語を並びたて、わからないこともわかったふり
をする「学歴アクセサリー主義」にあるが、アメリカでは知らない人に「学問をわかりやすく説明できる
ようにすること」と聞いたことがある。アメリカの水準の方が高いことが良くわかる。日本の大学教授
は学生から採点されないため、昭和の遺物が今だに多そうだ。
アメリカは人気のない講座は消滅するそうである。自然及び社会科学的に最先端を教えねば自分の首が
飛ぶ。大学は本来なりたい職業のための、専門的な教育機関として存在したこともあるはずだが、
どだい17〜18歳程度で自分のなりたい職業を選べというのが無理な話なのだろう。大学受験で文系か
理系かの分岐点は算数ができるか、できないかという判定になると言われている。算数ができなければ
半自動的に文系の進路となる。
何になりたいかもわかっていないのに「お受験」自体がナンセンスだと思うのは言い過ぎか?
かといって、子供の大半がファミコンのプログラマーや「宇多田ひかる」「スピード」などのタレント
志望でも困るけれど。私は学問選択の基本は「なにになりたいかを決めることが先だ」と、若者に
言っている。また、文系に進もうが理系に進もうが、こと資格試験に関する限り、メジャーでは医科・
歯科・薬科・獣医科以外はどの職業を選択しても学歴は横一線である。弁護士とて受験資格に特定の
学部学科卒の必要性はないと思った。「その職業につくために、やはり勉強は必要だし、やらざるを
えなくなる。その時は猛勉すると思うよ、自分のためにやるのだから。」そして、60歳で京都大学医学部
に入学したおじいちゃんの話しをする。
「君は今、いくつだ。」と締めくくれば、一時的であれ若者の目に希望の火が小さくても点燈する
のがわかる「俺も負けていられないと。」 (つづく)
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