生活者主権の会生活者通信2000年07月号/05頁..........作成:2000年月日/杉原健児


「うるせーな、ジジイ」ー外野席から観る教育論ー(5)

群馬県高崎市 森 徹(sintetu@po.wind.co.jp)

【第6章:人生経験と財テク】

 人生経験の訓話の内容の多くは、戦後の荒廃の物がない時代をいかに生きてきたかを美談にしたり、 「俺は人生を結構遊んだほうだと思う、だけどそれ以上に仕事もしたよ。」と言う話しになる。 人間は誰でも1日24時間しかない、8時間が1日の基本労働時間ならあとは残業になるわけだが、 「仕事もしたよ。」の方は残業手当のでる方が多い。私の属する建設・住宅業界は残業手当の項目 自体がない会社が多い。
 週休2日もOLを筆頭に事務職の話しで、現場でこなしている方は少ないはずである。メーカーの 管理職も同じと思う。そして手当はないが、残業は月平均50〜100時間程度はするはずだ。 家電メーカー勤務の兄と話たことがあるが属に言う「仕事人間」とは、残業時間がどれくらいを いうのか? 「100時間くらうからだろう。」と言う結論、因みに150時間をこすあたりから スタミナがないと体調不調を訴え、200時間を突破すると家に帰れなくなる。悪くすれば、 過労で病院おくりだ。遊んだけれど、仕事もしたというのは残業時間が「100時間」程度らしい。
 1時間1000円としても、給料が10万UPならば確かに余裕がうまれる。決まった仕事をして いて、それなりに利潤を生む場合は「俺は人生を結構遊んだほうだと思う、だけどそれ以上に 仕事もしたよ。」という言葉も生まれる。が、儲けは度外視だけれどやらなければならない場合は、 やれどもやれどま残業時間は増すばかりだ。しかし、給料には反映されなくなる。 現代はこういう ビジネスが多いのではないか?
 話しの内容にもよるが、戦後の荒廃や、人生経験、良くやった仕事の話しなど、年配の方の 自慢話しは、聞いたフリに決めこんでいる。
 私の周りに財テクで資産を運用している話を聞かない。株式市場が冷えきっているせいもあり、 底値がわからないため誰も手をだしていない。正月空けの情報通信株の下落も、他人事である。 財テクで失敗するお年寄りなどが、ニュースなどにでることがあるが、「人生経験などなんの 役にもたたないな!」と皮肉っている。ほしいのは、洪水のような情報を自分の有利なように運用 できる知識だ。 日本の学校でこの情報力を教授しているところがあるのかないのかわからないが、 少なくても属に言う人生経験はあまり通用しない。金融情報のスペシャリストをファイナンシャル・ プランナー(FP)と言う。
 1月16日12Chマネーエンジェルによれば、ニューヨークの高校は経済の講座は義務付けだ そうである。
 この経済講義には生活密着科目・投資・銀行との付き合い方・小切手やクレジットカードの 使い方などがあるそうだ。アクアイナス高校などは架空株式投資をシュミレーションでやるクラブを 経済講義の延長としている。もちろん株式投資子顧問の先生がいる。こんな延長上にFPが誕生する のだろうが、こんな高校ならはいりたいと思うのは私だけだろうか。中学生などの両親に、金銭を 含め環境があるのなら、「大学は渡米させたほうが良いですよ。暗記重視の詰めこみ型はもう古いし、 最低でも英語は身につく。できれば高校もハイスクールのほうが良い」とアドバイスしている。 (つづく)

生活者主権の会生活者通信2000年07月号/05頁