生活者主権の会生活者通信2000年12月号/05頁..........作成:2000年11月26日/杉原健児


危険情報公表法の制定が急務

衆議院議員(東京7区) 長妻 昭

  企業、行政を問わず、事故が起こると、まず、隠
す、発表を先延ばしするという傾向がある。被害が
拡大し、原因究明が遅れるというパターンが繰り返
されている。最近では三菱電機の欠陥テレビ隠しが
当てはまる。                                  
  典型例である雪印乳業食中毒事件を見てみよう。
大阪市が雪印大阪工場に立ち入り検査をした後、製
品の回収を指示したのが、平成12年6月29日午後10
時55分。本来は、大阪市がこの時点でマスコミ発表
して、被害拡大を防ぐべきであったが、発表は翌日
午後4時まで延ばされた。その間、17時間。      
  17時間の間に、牛乳を飲んで、その後、食中毒に

なってしまった方は、 318人に上る(大阪市調べ。
大阪市内の食中毒被害者2781人中)。仮に29日の時
点で公表していれば、翌日の朝刊や朝のテレビニュ
ースで報道され、 318人の方々の何人かは、牛乳を
飲まずに助かったかもしれない。特に公表遅れの時
間帯は、牛乳を飲む機会の多い朝と昼が含まれてい
た。                                          
  本来は雪印自身が率先して公表するべきであるが、
企業が公表を渋った今回のケースでは、行政が速や
かに公表すべきである。                        
  先の三菱自動車のリコール隠し事件は、その規模
や悪質度において前代未聞であるが、自動車におけ
る危険情報公表の問題点も浮かび上がらせた。    
  自動車は道路運送車両法で、保安基準を満たして
いない車両に関してリコール届け出による回収・無
償修理を企業に義務付けている。                
  しかし、自動車メーカーが運輸省にリコールを届
け出る場合、  原因の確定、三ヶ月以内に概ね九〇
%の無償修理を終える、  そのための部品の確保、
など準備が整っていないと実際に届け出し難い。  
に関しては、運輸省と業界との非公式な目安である
ものの、リコール届け出に対するハードルは高い。
  例えば、ある条件下で不具合が発生するというこ
とが確認されても、原因が未確定の場合、実質上、
リコール届け出はできないし、メーカーは公表もし
ない。                                        
  自動車メーカーがユーザーから最初のクレームを
受けてから2ヶ月以内にリコールを届け出たものは
届け出全体の27%しかなく、10%が最初のクレーム
を受けてからリコール届け出まで1年以上経過して
いる(平成一一年度運輸省調査)。迅速な危険情報
の公表という意味ではリコール制度だけでは不十分。
  現在、製品や事業活動に関する安全を規定する法
律は食品衛生法をはじめ、薬事法、電気用品安全法、
消費生活用製品安全法など数多く存在するが、ほと
んどは危険情報の国民への公表の規定が欠落してい
る。                                          
  企業や行政はこれまでマスコミ発表に関して、世
間に騒がれて公表するという姿勢であった。さらに
危険情報が上に上がる過程で、上司が解決策の策定
などを求めるため、公表を決断できるトップまでた
どり着くときにはかなりの時間が経過してしまう。
  原因や対応策が確定していなくても、危害発生を
防止する観点から、迅速に危険情報を公表する、危
険情報公表法(仮称)が必要と考える。          
  危険情報公表法の目的は、国民の生命又は身体に
対する危害の発生や危害の拡大を防止することにあ
る。企業に危害発生を防止するための情報を公表さ
せ、仮に企業が公表しない場合は行政庁が公表する。
  企業にこの法律の趣旨を徹底させるためには、日
本ではなじみの薄い懲罰的損害賠償制度の導入もセ
ットで議論する必要がある。                    
  懲罰的損害賠償制度は、被害を拡大させた落ち度
によって賠償額を増やし、被告を罰し、将来同様な
行為をしないよう抑止する狙いを持つ。懲罰的損害
賠償制度を持つ米国では、1999年、カリフォルニア
州上級裁判所が、GM車の欠陥で6人が大火傷を負
った裁判で、49億ドル(約6000億円)に上る損害賠
償の支払いを言い渡した。この賠償額が適当かの議
論はあるが、企業は損得勘定からみても、今以上に
危害発生防止に取り組んだ方が得であると考えるこ
とは間違いない。                              
  危機管理は重要だと叫ばれて久しいが、今、制度
を整備して危機を未然に防ぐ段階に来ている。    

インターネットこそ「自由民権運動」の武器

新宿区 佐藤鶴次郎(sat1528@za2.so-net.ne.jp)

  森主相が日本の経済を活性化するためにIT革命
と騒いているが、その本質は全然理解していないと
私は観ている。ワットの発明した「蒸気機関車」が
産業革命の幕開け肉体労働の解放ならば、私はIT
革命は頭脳労働の解放と位置付けるものと思います。
勿論複雑な要素が絡みますが、奴隷の肉体労働は解
放されても、スポーツはより発達し、単純な頭脳労
働もより情緒的、建設的な側面が評価される様進化
されると考えます。従がって市民の余暇が増え生活
が豊かに成るはずが、反対にリストラが増え、失業
者が増える現状です。                          
  世界的な発達に比べ日本のコンピュターの普及進
化は韓国、台湾、中国、にも大幅に水を空けられた
現状、此れを取り戻すのは、市民が勉強して近ずく
と共に、より使い易くする為に、機械やプログラム
が開発され、同時にその中味に興味を持つ様に工夫
される必要が有ると思うのです。キーボードやマウ
ス不用のパソコン、テレビのリモコンでのメールの
送受信、音声の入力や説明等などの市民が希望すれ
ば可能性は無限に広がると思います。そして市民が
希望する民間や行政のイベントや諸ニユースの開示
や小中学校施設の開放公民館図書館の無料開放など、
行政は市民に対して仕事を広げる必要が有ります。
コンピュターが普及し住民投票の重要性が世論とし
て定着すれば現在の世論無視の議会運営も無くなる
と思います。                                  
  其れには今後の選挙で「住民投票重視政治と従来
型の借金政治を対比」して闘えば、今の政治家に不
満を持つ無党派層を中心に、政治的関心が高まり市
民の身近な政治が定着すると思います。          
  そして住民投票をコンピュターで実行すれば、  
(1) 投票の費用は従来の 100倍以上安価になり、投
  票結果は瞬時に把握出来、個人識別が進めば自宅
  や近所のコンビニ等でも投票が可能となります。
(2) 政治家は、市民の将来に就いての国会議員、地
  方議員夫々理想の姿を研究しホームページ始め色
  々なメデアで活発に政策発表する事が政治家の仕
  事と成り、市民の希望する政治項目を2〜3に集
  約の上住民投票で賛否を問い、投票結果に基ずい
  て、政策の実行に責任を持てば良いと考えます。

生活者主権の会生活者通信2000年12月号/05頁