機密費について
豊島区 吉井正信
外務省55億円、内閣官房16億円等各省庁に機密費
があります。機密費とは何か。彼らの説明によれば、
国家の安全を守るために領収書をもらえない支出に
使用される資金とのこと。この目的のために使用さ
れるのであれば、一向に問題はないし、金額にも問
題はないと思います。むしろこのくらいの金額で国
家存亡の危機を救うのに十分であるのかと疑問に思
います。
今回の外務省の要人外国訪問支援室長の資金流用
問題で、野党や当会会員の中でも機密費の削減をす
べきとの意見がありますが、あまりにも短絡的に過
ぎないだろうか。金額を削減したからといってこの
問題の解決にはなりません。ましてや資金不足によ
り国家の安全に対する対策を取れなかったらどうし
ますか。問題の本質を取り違えてはいけないと思い
ます。
問題の本質はこの機密費を管理する政治家や官僚
の質にあります。現在この機密費は国家安全保障の
ために使われているのではなく、国会対策、野党対
策や要人の外遊費等に使われていると聞いています。
なぜこれが機密費口座から支払われるのか、彼らは
本当に日本のことを真剣に考えているのか、国民は
この点に目を向け怒りを込めて抗議すべきだと思い
ます。毎年同額の予算を計上し、それを消化してい
るのははなはだ異常であります。毎年同額の機密対
策費用なんてありえません。残金が出れば、それを
翌年度に繰り越しては如何でしょうか。例えば外務
省の55億円に関して言えば、今年度30億円だけ使用
されたのであれば、残金を繰り越し翌年度は30億円
だけ予算計上すべきでしょう。
そして、もっとも重大な点は、この費用を管理す
る政治家や官僚の質を高めることです。国家に対す
る忠誠心がないものが、この口座を管理している限
り、この問題は再発生します。
アメリカでもCIA,FBI、国防総省や国務省
に多額の機密費があり、同様の問題(流用)を抱え
ていますが、決して予算削減すべきとの議論は起き
ません。なぜなら、多少の問題があってもこれは必
要な資金であるとの認識で一致しているからです。
ただし管理の強化等の対策はとっています。
どうか皆様も問題の本質を見極め、政府がこの問
題にどう取り組むのかを監視していきましょう。
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