生活者主権の会生活者通信2002年08月号/A2頁..........作成:2002年08月20日/杉原健児

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第七回民主党議員訪問状況報告

道州制実現推進特別委員会(平岡昭三・松井孝司・橋本光治・岡部澄子)

H.14.6.11.               
1,鎌田さゆり氏(宮城2区、一期、      
  党男女共同参画委員長)の佐竹政策秘書より
   本人の話では、党は目下、分権ワーキングチー
 ム等で鋭意政策作りをしている最中なので、責任
 ある立場の者が、之等と異なる意見を述べたりす
 るのは、不適当と思うので、コメントを差し控え
 させて貰いたいとのこと。(当方としては、前途
 有為な女性議員なのだから、肩に力を入れず、の
 びのびやって貰いたいという感じであった。) 

2.松野頼久氏(熊本1区、一期)より
   道州制や市町村300 等大賛成だ。しかし問題は、
 道州制を1分間で、どう説明するかだ。小泉は、
 「構造改革経済再生だ。」この一言で引き付けて
 来た。万人受けするのは、道州制よりも減税では
 ないか。県が州になっても、有権者にとってみれ
 ば、お上の問題であり、自分の生活には余り関係
 がないと思うのではないか。皆さんは減税に一番
 敏感だ。之しかないと思うと幹部に言っているが、
 余り取上げてくれない。先日、桜井よし子との対
 談で言ったが、道路公団等の民営化というのはお
 かしい。外国では、高速道路は無料が多い。国営
 で無料化にすべし。何でも民営化はダメ、基幹イ
 ンフラは国営にするなど、けじめをつけるべきだ。
 逆に建設省が熊本に建設局を作って道路工事を自
 分でやっているなどナンセンスだ。自分は、おや
 じの頼三の自民党の地盤に反旗を翻えし、一人で
 闘って来た。市町村の幹部や組織など皆敵だ。し
 かし保守王国も変わって来た。自分が新しい時代
 の流れを説けばわかってくれる。道州制運動も頑
 張りなさい、とのこと。           

3.再び永井英慈氏より  
   分権のワーキングチームのスタディも、最後の
 まとめの段階になったので出席してくれと言われ、
 昨日始めて出席し30分喋った。自分は言った。収
 税権で、国対地方の比率を1対1にすべしとか、
 1対2にすべしとか、或いは、道州の数を10、11
 とか、そんな議論はどうでもよいことだ。エイヤ
 ッと、どこでもよいから適当に、鉈を振りおろし
 て、決めておけばよいことなのだ。之は革命なの
 だ。革命とはそういうものなのだ。自分の案も、
 国会図書館は道州制のまとめの六案の中の一つに
 掲げてくれているが、もう案もいろいろ出てきて
 いる。勉強も充分だ。南関東州には千葉県も入っ
 ているが、千葉の議員は、千葉はむしろ北関東に
 近い、等と言っているが、そんなことは枝葉末節
 だ。どちらでもよい。早く方針、基本政策を決め、
 内外に明確に大きく打ち出すことだ、と説明した。
 同チームは9月の代表選前までに、基本政策を決
 めるようだ、とのこと。           

4.小林憲司氏(愛知7区、一期)より
   道州制は賛成だ。名古屋市を区に分けてこせこ
 せやっても仕方がない。大きな州でくくり、瀬戸
 市は瀬戸区ぐらいにすべきだ。廃ガス規制なども、
 市、県、国で皆違うことを言っている。印鑑証明
 など、コンピューター化で不要だ。郵便も民営化
 の時代だ。但し、市町村等を強化して力を与えて
 も能力が伴わないから、入口を変えても出口を変
 えないとダメだ。補助金を配る感覚でなくNPO
 を強化して行政に頼らぬシステム作り等が重要だ。
 医療にしろ介護にしろ、重度の高いものに認定し
 てくれれば毎月5万円余分に入って来る、と言う
 考え方の人も多く、既得権者も多い。国民の自治
 の自覚が大事だ。道州制で未だ一つ不明な点があ
 る。大阪とか愛知とか、州によってやり方を違え
 るという考え方のようだが、日本民族は昔から単
 一民族で、ツーと言えばカーと通じる民族なので、
 そこらをどう考えるか。何れにしろ、有権者に一
 番響くのは減税だ。レーガノミックスの成功も減
 税だった。之を党にアッピールしたい。法人税で
 も、業者は、皆、税が高いから隠している。25%
 になれば正直に払うだろう。三大重要政策は、 
  (1)減税。 (2)外交・防衛の基本政策の明確化。
  (3)教育だ、とのこと。           

5.山内おさむ氏(中国比例、鳥取二区、一期) 
                   より
   道州制は賛成だ。しかし乍ら、そうなった場合、
 福祉、教育、雇用、等々各アイテムが、どうなっ
 ていくのか、種々議論が必要だと思う。一方、減
 税等極めて困難なことを、有権者の耳に心地よい
 からと、余り言うのは感心しない。(弁護士出身
 だけに、考え方が非常に手堅い印象だった。) 
                       
H.14.6.12.                  
6.城島正光氏(東京比例、東京13区、二期) 
                   より
   道州制は、賛成であり、之からは自立、自治の
 時代だ。そして有権者には、生活への係わりを説
 かないとピンと来ないであろう。どう係わるかが
 大事だ。税金とか社会保険料とかにおいて、日本
 では、負担率をどうするかの議論が、先ず一番に
 来ているが、之はおかしい。そして又医療とか年
 金とか、個別アイテムをどうやっていくのか、の
 議論ばかりなのもおかしい。先ず検討すべきは、
 全体のこの国の社会の在り方がどうあるべきか、
 どんな生活を想定するかの議論が重要だ。その上
 で、年齢別負担とか、所得別の負担とかを考える
 べきだ。スエーデン等はそうなっている。諸外国
 は皆そうだ、日本だけは珍しくこういう分析がな
 い。その上で、スエーデンの如く、所得の7 割の
 税負担を認める代りに、将来のことも皆、国が責
 任を持つことにするのか、或いは、5割の税で国
 は半分しか責任を持たぬことにするのか、等々社
 会の在り方を定義することが先決だ。その上で、
 医療、年金、教育等の在り方を決めるべきだ、と
 のこと。尚、道州制など大変革は社会的不安を与
 えはしないかの議論については、「このままにし
 て推移せんか、皆んなの生活が激しく落ち込むよ。
 しかしこうすれば、逆に良くなっていくよ。」と
 説けば、わかってくれる、自営業とか老人とか、
 相手に合わせて説くべし、とのこと。     
  尚、本会の各議員訪問記は、党内にかなりイン
 パクトを与えているよ。石井紘基氏の「今の岡田
 ―玄葉―中川の政策ラインはダメだ、云々の記事
 はかなり波紋を呼んでいるよ、とのこと。当方は
 「少し生臭い話をしないと誰も読んでくれないの
 で少し刺激を与えるのもいいのじゃないの」と答
 えた。石井氏の力作、「日本が自滅する日」PHP 
 研究所発行は、之ほど中央集権制を剔抉した本は
 ない。民主党の行く道を明示した全議員必読の書
 と思う。因に、津本陽の「勇のこと」と大前研一
 の「平成維新」講談社発行と共に、三大必読書だ。

7.木下厚氏(埼玉8区、一期、元政治評論家)
                   より
  党も自分も道州制には賛成だ。地方分権は、地
 域を大枠でくくらぬと権限等処理できない。もう
 中央集権はダメだ、分権するしかない。財源と権
 限を道に移し、各州で夫々特色ある道州を作って
 貰えばよい。道州制はわかり難い、との声もある
 が、地方のあり方を見直す必要があることを、き
 ちんと説けばわかる筈だ。今、市町村合併に対し、
 少こし不安があるようだが、県の上の州のことは、
 一般人には余り直接関係がないから、アレルギー
 はないと思う。今の県や市町村の議会は、余り仕
 事をしていない。なくてもよい位で、議員を半減
 しても、何ら問題はない。国会議員も半減でよい。
 小さな政府が目標なのだ。道州制推進議員連盟も
 結構だ。先ず一次的に党内で作り、更に他党に拡
 大していけばよい。自分も参加しよう、とのこと。
 (このご仁は、私たちと考え方が、ぴったり一致
 する。一期生だが、流石、もとジャーナリストで
 センス抜群の感。)             

8.金田誠一氏(北海道比例、三期)より
   道州制は賛成だが、未だ充分運動を盛り上げる
 必要がある。党として、地域として未だ雲の上の
 話だ。市町村合併は、自分でどうするか決めるこ
 とになっているが、道州制は、上から押し着せだ、
 之は自分で決めなくてよいのかという矛盾が議論
 されるべきではないか。県を合併さすのは集権で
 はないのか。等等も時間をかけて議論しないと皆
 んな夫々イメージが違う。今、北海道は、東京の
 中央官庁以上の中央集権となっており、全然ダメ
 だ。その実態分析が先決だ。九州府を作っても、
 福岡集権となろう。道庁は、一般生活者の実状を
 知ろうとせず、各業界団体とのみ繋がっている。
 日本一官僚的だ。東北州を作っても、仙台が官僚
 的になりはしないか。            
  米国の州では死刑ですら州によって有無が異な
 る。日本で、そこまでやるかやらぬか。明治は革
 命だから出来たが、今日本では革命はできない。
 何でもかんでも、このバスに乗れと言われても、
 事情のわかった電車にしか乗らない。そこをどう
 するか。分権の流れは正しいが、北海道の例では
 不安だ。スウェーデンでは、800 万の人口で、20
 の県と 300の市でうまくやっている。道州制では、
 之等夫々の機能の研究が不足だ。未だ今百家争鳴
 の段階だ。未だ収斂していない、とのこと。  

9.川端達夫氏(滋賀1区五期、党組織委員長)
                   より
   道州制は大賛成だ。自分は、地元でも道州制を
 説いている。難しくも何ともない、話せばわかる
 筈だ。勇気をもって説くことだ。貴会の言われる
 三大作戦や議員連盟も結構だ、とのこと。   
                       
H.14.6.13.             
10.枝野幸男(埼玉5区、三期、      
  党政調会長代理、ネクスト内閣府大臣)より
   分権ワーキングチームの作業は大詰めだが、未
 だファイナルではない。之からまだまだ揉むのだ。
 選挙は政調会の直接のマターではない。政調は、
 政策を作る所であり、選挙は選対、広報等が中心
 で政調は之に協力する立場だ。6 月8 日に出た政
 策の基本理念となる10の政策綱領原案をもっと絞
 り込みたい。一方、政権交代後の、分権に関する
 法制の改正整備が、大変な作業になって来る。自
 分は内閣法制局関連の仕事について、法の基本を
 整備したい。参謀型の人間でトップリーダー的人
 間とは思っていない。六法全書全部改訂が必要だ。
 細部は官僚にやらすにしても、基本は党の方針で
 決めねばならない。道州制、連邦制などの分権は
 大賛成だ。要は中味の実態だ。政策が最終的に決
 るのは9月の代表選のあとだろう。選挙で、共産
 党や公明党のように、皆んな同じことを言うのは、
 自分は余り賛成ではない、とのこと。当方「分権
 基本政策を統一的に説明し、その元での各アイテ
 ムの中から強調したいことを、人によって自由に
 喋ればよいのではないでしょうか。」と答えた。
 尚、日頃平岡氏から、種々情報提供を受け感謝し
 ている、今後もよろしく、とのこと。     
 (尚、上記10大綱領の中で、道州制の導入、平成
 の廃県置州がトップにおかれていることは、我々
 道州制実現推進運動の会としては、誠に慶賀に耐
 えない。更に綱領を絞り込みする作業により、之
 を唯一最高の基本政策にして頂き、総選挙に必勝
 されるよう、要望を重ねていく所存である。) 
                       
11.H.14.5.13.夜民主党大躍進パーティー
   管幹事長より「民主党とかけてサッカー日本代
 表と解く。その心はこの4 年間で大変強力になり
 大躍進を遂げつつある。」との大変うまい挨拶が
 あった。参加者も3300人と会場を埋め尽くし、サ
 ッカーファンの雄叫びの如くであり、時代の新し
 い変化の波を痛感した。あとで、平岡より菅氏に
 「道州制と貴方の言う連邦制とどう違うのだ。」
 と質したら「同じだ。文春7月号を読んでくれ。」
 とのこと。「もう読んだ。」と答えた。羽田特別
 代表には「道州制推進の会だが、貴方のご意見は。」
 と聞いたら「大賛成」とのこと。鳩山代表に、廃
 県置州のお礼を言おうとしたが、聴衆殺到で会え
 なかった。                 
                       
 (尚、翌日、岩国哲人氏より電話あり「昨晩、貴
 方を探したが会えなかった。川端達夫議員の話に
 よれば、貴会の議員訪問記がHPに出ており、その
 中で、岩国の道州制反対の発言があったと話題に
 なった。」とのこと。同報告では「岩国氏は唯我
 独尊党内孤立」と書いたので、当方冷汗物だった
 が、同氏は特に怒りもせず、向後ともよろしくと
 言われ、人物の大きさを、流石はと痛感させられ
 た。)                   

生活者主権の会生活者通信2002年08月号/A2頁