生活者主権の会生活者通信2003年06月号/A1頁..........作成:2003年07月06日/杉原健児

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民主党幹部へ「政策明示を求める民意」

生活者主権の会道州制実現推進委員長 平岡昭三(H.15.4.29.)

 菅直人代表、横路孝弘副代表、岡田克也幹事長、
枝野幸男政調会長、赤松広隆選対委長、平野博文広
宣委長、玄葉光一郎総務NC大臣、中川正春NC行革大
臣、北橋健治幹事長代理 各位         
前略                     
(一)マスコミに言わせれば、今回の選挙の総括は、
 掲記の通りとのことであります。之を肝に銘じて、
 次の総選挙に向って、体制を整備すべきでありま
 しょう。民主党も、いま少し明確な「全国統一の
 基本政策」を明示できていれば、惜敗のケースも
 減ったのではと、愚考しますが、如何でありまし
 ょうか。                  
(二)菅代表の「改革政権準備完了」の光文社の著
 作を読んでみても、真の準備の、大事な点が未だ
 残っているように思われます。即ち、同書では、
 「本物の構改(構造改革)のために、党は、国の
 形を根本から変える政治・行政の改革を断行し、
 中央集権の役割を徹底的にスリム化し、地方主権
 の道州制に移行する。」と明言され、「真の構改
 とは、「スクラップ&ビルド」。国際競争力を失
 った産業を「スクラップ」する一方、未来のリー
 ディング産業を育成する「ビルド」が重要である
 と説明され、党内がバラバラとの批判に対しては
 「いろいろ議論があっても、皆んなで政権奪取を
 実感して来れば、全く問題はなくなる」と言って
 おられます。そして、この前半は全くの正解であ
 り、大賛成であります。しかし乍ら、之は若干、
 建て前論のような気が致します。なぜなら、同書
 の巻末のホームページでは、「党は国や自治体に
 関する労組の支持も受けており、構改の各論では、
 慎重になることがあることも事実」と本音論も洩
 らしておられます。             
(三)この、建前と本音の乖離が問題なのでありま
 す。この肝心要めの大事な処が、詰っておりませ
 ん。之こそ政権準備が完了してない証拠でありま
 す。之だから、未だに党の最高基本政策が成文化
 せず、地方分権推進ワーキング・チームの作業も、
 未完成なのであります。           
    マスコミが、党の基本政策がない、と騒ぐ所以
 のものであります。ために、有権者の多くも、路
 頭に迷い、無党派層になり果て、不幸に陥ってお
 ります。                  
    Discussion Journal「民主」4 月号にても、米
 カーチス教授に「政権を取った場合の、政策のト
 ップ・プライオリティを三つに絞って、わかり易
 くすべきだが、できていない」と言われて、代表
 が「全くその通りで、党自身の不充分さである」
 と答えざるを得なかった処でもあります。   
(四)難問先送りは、小泉首相の専売特許の筈であ
 ります。責任野党の党首が、それをまねてはいけ
 ません。先ず、勇気をもって、労組及び労組系議
 員と徹底的討議し、本音と建前を完全に一致させ
 ねばなりません。鳥と卵じゃないけど、「政権奪
 取が実感されれば、すぐ一本化する。」と言うの
 は、本末転倒であります。先にこの議論を一本化
 せねば、政権奪取の実感は、何時まで経っても湧
 いて来は致しません。ぐずぐずしている間にこの
 国は沈没いていくばかりであります。この責任の
 重さを、全議員は身に滲みて感じておられるのか
 しらね。                  
(五)さて、それでは、この議論を、どう詰めれば
 よいのかであります。話は簡単であります。構改
 の柱は、中央政府の財政・許認可権限の地域の自
 治に返し、経済的規制を撤廃・緩和・自由化する
 ことによって、経済活性化、スクラップ&ビルド
 の自然発生を促したり、新産業の育成・促進等を
 行う、と言うことでありますが、労組が之を認め
 るか否かであります。之は、国・自治体労組にと
 っても、決して悪いことではありません。勿論、
 若干の痛みを伴うこともありますが、痛みの先に、
 輝かしい未来、高齢化社会の豊かな可能性がある
 ことは、議論を尽せば、必ず理解し合えるもので
 あります。当然のこと乍ら、之まで自民政府では
 できなかった手厚い失業対策を断行すべきは不可
 欠であります。               
(六)何れにしても、この議論の結末を放置してお
 いたのでは何時まで経っても、全員一致の基本政
 策の確定はできません。之を早く作らないと、有
 権者は、党を、そして、政治を、見限ってしまい
 ます。之を確定し、あと総選挙に向って、新政策
 を如何に有権者に浸透させるかであります。私ど
 もの提案は、一枚の紙の裏に、自民党の諸悪を並
 べたて、表には同州制による輝かしい未来と豊か
 な可能性を列挙するという、既報のような「一枚
 の紙」を一億枚、全国に配ることだと思います。
 具体的文言は、如何ようにも、ご工夫頂けばよい
 と存じます。ここで上記構改を説明しなければ、
 自民と同じです。              
(七)尚、新基本政策は、どこから突かれても、自
 信をもって説明できるよう、理論武装が肝要です。
 党内には、学識経験豊かな議員も多いけど、皆さ
 超多忙で、じっくり理論武装に時間がとれるか心
 配です。この点学者等の協力も得ておられると思
 いますが、世間に定評のある方の協力を、正式に
 仰ぎ、公表すべきであります。「スクラップ&ビ
 ルド」の政策は、言うなれば「ハードランデイン
 グ」政策であります。勿論、日本の再生には之し
 かありません。自民ではできず、民主にしかでき
 ない政策であります。このことを上手に国民に説
 明できる学者の協力が不可欠であります。   
    この種の学者には、中谷巌、嶋田晴雄、リチャ
 ード・カッツ、及び大前研一等の各氏がおります
 が、考え方が一番党に合いそうな方に、党の最高
 顧問になって協力して貰うべきであります。急が
 ば廻われであります。ホームページでは、菅代表
 には、阪大の小野善康教授の説にご興味を持って
 おられる由ですが、同氏の政策が、上記に合うの
 なら、それでも結構でありましょう。しかし、少
 し気になるのは、同氏の「民間企業は解雇できる
 が、国は国民を解雇できず、日産のゴーン氏のよ
 うなことはできない。」と言う説に力点を置かれ
 ているのは、ちょっと問題だと思います。と言う
 のは、「国は、民間のスクラップ&ビルドに伴う
 リストラ解雇には、手厚い失業対策や新産業育成
 で対処すれば何等問題はないのではないでしょう
 か。老婆心乍ら附言致します。        
                       
(八)以上、乱文乱筆を深謝し、益々のご健闘を祈
 念申し上げます。本論にご興味がありますれば、
 何時にても、ご説明に参上致します。  草々。

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