安倍新首相は道州制担当大臣を置いた。他の多く
の任務との兼任とはいえ、『道州制』の名が閣僚名
簿に掲載されたわけで、道州制という言葉を使った
だけで「???」と言われた「平成維新の会」のこ
ろより、10年以上も道州制の実現に努力してきた
当会にとっては、道州制担当大臣が誕生したことは
感慨深いものがある。
ただ安倍内閣の目指す道州制がどのようなものな
のか、またその実現性についても、まだまだ大きな
クエスチョンマークが付く。しかし、ともかくこれ
により道州制というものがより広く認知されたこと
については歓迎したい。
また就任前から大いに懸念されていたアジア外交
では、就任早々に最初の外遊先として中国、韓国に
飛び、小泉内閣でこじれにこじれていた関係を改善
させた。この早期訪問はうわさされていたとはいえ、
北朝鮮が核実験を実際に行う前にそれができたこと
は、その後の外交展開を見ても実に有効であった。
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強硬派と見られていた安倍首相のこれほどの柔軟な
対処は想像を上回るもので評価できるが、ブレーン
の中からは戸惑いの声も聞こえるという。果たして
このままの協調体制を維持できるのか疑問も残る。
そして核実験を行った北朝鮮である。
いったいどのような方策が現在の北朝鮮に有効な
のであろうか。「北朝鮮は最後の一線を越えた」と
の論評もあり、北朝鮮の動向が当然いろいろな面で
今後の日本の政治を大きく動かす要因となる。それ
により日本の国情が激変する可能性も否定できない。
安倍内閣は憲法改正をその命題に掲げてもいる。
まずは安全保障の問題についての論議がより活発に
なるのであろうが、既に日本の核兵器の保有につい
ての発言が物議をかもしてもいる。日本の方向性を
改めて明確にすることも必要となるだろう。
船出早々、突如難問に直面した安倍丸。今後この
大荒れの大海をどのように乗り切っていくのであろ
うか。
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