生活者主権の会生活者通信2006年11月号/01頁



生活者通信【11月号】

第135号・2006年11月01日発行   ホームページ・アドレス http://www.seikatsusha.org/
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安倍内閣の船出

生活者主権の会代表 小俣一郎

 安倍新首相は道州制担当大臣を置いた。他の多く
の任務との兼任とはいえ、『道州制』の名が閣僚名
簿に掲載されたわけで、道州制という言葉を使った
だけで「???」と言われた「平成維新の会」のこ
ろより、10年以上も道州制の実現に努力してきた
当会にとっては、道州制担当大臣が誕生したことは
感慨深いものがある。
 ただ安倍内閣の目指す道州制がどのようなものな
のか、またその実現性についても、まだまだ大きな
クエスチョンマークが付く。しかし、ともかくこれ
により道州制というものがより広く認知されたこと
については歓迎したい。
 また就任前から大いに懸念されていたアジア外交
では、就任早々に最初の外遊先として中国、韓国に
飛び、小泉内閣でこじれにこじれていた関係を改善
させた。この早期訪問はうわさされていたとはいえ、
北朝鮮が核実験を実際に行う前にそれができたこと
は、その後の外交展開を見ても実に有効であった。
強硬派と見られていた安倍首相のこれほどの柔軟な
対処は想像を上回るもので評価できるが、ブレーン
の中からは戸惑いの声も聞こえるという。果たして
このままの協調体制を維持できるのか疑問も残る。
 そして核実験を行った北朝鮮である。
 いったいどのような方策が現在の北朝鮮に有効な
のであろうか。「北朝鮮は最後の一線を越えた」と
の論評もあり、北朝鮮の動向が当然いろいろな面で
今後の日本の政治を大きく動かす要因となる。それ
により日本の国情が激変する可能性も否定できない。
 安倍内閣は憲法改正をその命題に掲げてもいる。
まずは安全保障の問題についての論議がより活発に
なるのであろうが、既に日本の核兵器の保有につい
ての発言が物議をかもしてもいる。日本の方向性を
改めて明確にすることも必要となるだろう。
 船出早々、突如難問に直面した安倍丸。今後この
大荒れの大海をどのように乗り切っていくのであろ
うか。


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