「完璧道州制」について

道州制実現推進委員会 委員長 平岡 昭三


大前研一様                                       H.19.1.15.

                                             平岡昭三

謹賀新年

               「完璧道州制」について  

 

(一)先生の年賀状に「本年は最後の力を振り絞って、もう一度もっとわかりやすいものを書くべきか」とのお言葉がありました。

 正に今こそ道州制について畢生の決定版「完璧道州制」を発刊すべきだと存じ上げます。

 何故なら、道州制こそこの国の唯一最良の繁栄策であるにも拘らず、 一般国民のみならず、政治家やマスコミの間に於いても、まだまだ多くの 不明点・認識不足の点が存在し、ためにその実現意欲が充満して来ないのであります。

 

(二)それら問題点を列挙すれば次ぎの通りであります。

1.先生が道州制の最大のメリットと指摘される経済的メリットが、今 一つ国民に理解出来ていない点であります。道州の単位として動けば国際的に評価され、外貨もどしどし入ってくるとの事でありますが、 各州夫々どのような行動をとれば、どのような効果が期待できる、と云う事を各州毎に具体的に説明しないと、納得が得られないのであります。

 国民を大きく動かすためには、その具体的な行動を、噛んで含めて言ってあげないと、仲々目が覚めないのであります。之は以下の各項目全てに就いても言える事ですが、荒筋だけ示して、後は自分で考えなさい、ではダメであります。それは大変な事ではありますが、その説明に成功すれば、事既に半分なれりであります。

2.中央集権制を廃し、必要不可欠な一部省庁の業務のみを残し、後は全て道州に移すとの事でありますが、具体的に省庁ごとに細かく説明する事が、ここでも不可欠であります。

3.参議院はどうするのか?廃止か、それとも道州間の経済格差の是正に使うのか?参議院は具体的

 にどうなるのか?人数は?

4.衆議院の業務内容は?人数、選出方法等はどうなるのか?

5.道州間の経済格差の是正と自己努力との兼ね合いをどう求めるのか?具体的に納得のいく説明が肝要です。

6.各道州の具体的区分けと区分け方の合理性についての説明。

7.道州制の実現には、誰かがリーダーシップを発揮して、一挙にやらねば実現しないとの事でありますが、その為の道州制法案の具体的内容。

8.道州議会と基礎的自治体の議会との具体的在り方、業務内容。

9.道州制は現行憲法下で、何故成り立つのか?

 又は逆に、何故改憲せねば実現出来ないのか?

 或いは道州制のどの部分を、現行憲法下で実現し、改憲後にどの部分を実現すべきなのか?

10.未だ未だ他にも、色々説明を要する点があるでありましょう。

 道州制に関連して、新憲法の在り方や国家運営の新理念、並びに教育の新理念等についても、改めて併述すべきでありましょう。

 

(三)之までの各種道州制論には、上記についての具体論が乏しいため、総論だけで終わり、お話だけに終わっております。この具体論が描けるのは、先生を措いて他にありません。

今茲に先生による、道州制についての如何なる質問にも答えうる「完璧道州制」の発刊を、切に希求する所以のものであります。多くの国民も亦、同じ思いでありましょう。道州制の言い出し兵衛の先生には、それを発刊する義務があると存じます。

 私共は、この20年来、先生の教えを拳拳服膺し、道州制の早期実現のみを念じ行動して参りましたが、革命未だ成らず、正に隔靴掻痒の感であります。

以上次第に就き、何分宜しくお願い申上げます。

早々

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日本経済団体連合会          H.19.1.16.

会長 御手洗富士夫

                                    生活者主権の会 道州制実現推進委員会

                                         委員長 平岡昭三

前略

      (道州制について)

(一)H.19.1.6.読売新聞の会長の所信を拝読し、感激致しております。私は大分市出身で、県人会で長年会長をして居られましたお父君に、ご入魂にさせて頂いておりました者であります。今は、会社定年後市民運動として、掲会に於きまして細やかながら、道州制実現推進運動をしております。

 今回のご所信を拝読するにつけ、この国の経済界の中心の貴会に於かれましても、愈々道州制を標榜される段階に来たかと、今昔の感に堪えない次第であります。

(二)添付、大前研一氏宛信写しをご参考に供します。その文面の如く、道州制がこの国に於いて本格的に採り上げられるには、まだまだ貴会をはじめ、各界での一段の啓蒙活動が不可欠かと存じ上げます。

 益々のご活動を期待して、斯く一筆啓上申し上げる次第であります。             早々