慰安婦問題について
この問題を含めていえることは、戦後の政府及び日本人は先の大戦の歴史的な検証を終えずにきていることに問題の根源があると思います。それが中国や韓国との歴史認識問題にも発展しています。
極東裁判は戦勝国による、歴史の検証であり、BC級裁判(捕虜の虐待や処刑)に至っては日本人であれば罪が実際にあろうとなかろうと良かった訳です。また実際命令した指揮官の多くは皆日本に逃げ帰っています。国際的にはこの裁判をもって検証を終えていますし、この裁判の判決を日本政府が公式に認めたことにより国際社会に復帰しているわけです。これはあくまでも日本国外での検証結果であって日本国内での検証を終えているわけではありません。
靖国の問題は極めて日本国内の問題である為、検証を終えていないゆえにいまだに結論が出ていません。
辻正信が陸軍参謀本部の将校として、命令書なしで数々の虐殺行為を行い、捕虜として収容されることなくアジアで逃亡生活を送り講和条約締結後に日本に帰国して衆議院議員に当選したという事実は、国際的にも容認される問題ではありません。
この事実からすると日本人は開戦原因から始まって終わるまでの事実について知らされていなかったということを物語る良い証拠にもなると思います。
辻はマニラ市長の処刑やシンガポールにおける虐殺行為などの指示者でありますが、彼は参謀本部員であるため、命令する権限がありません。そこで捕虜の処刑を命令されたある現地将校は辻に命令書を書いて欲しいといったそうですが、後でこの現地将校は激戦地へ転属されたそうです。
これと似たような事件は鈴木宗男が外務省に対して行った事と酷似しています。命令不服従であれば左遷させ、良き協力者となれば政治力で昇進させるというアメとムチの使い方です。
それと鈴木が書いた“宗男の言い分”という本と辻が書いた“アジアの開放”という本は、どちらも皆さんのご想像の通り弁解と理想論だけが列挙されていて、全く買う価値のない本です。
今年は南京虐殺70周年に当たり、おそらくこの問題もどこかで噴出してくると思います。
歴史認識問題についてはドイツの例にもあるように両国で検証に関する委員会を立ち上げてゆく必要があります。
つまり事実は何なのか?それにつきると思います。
そうでないと北朝鮮の拉致問題も国際世論を味方につけることが難しくなると思います。
日本人に対するテロ行為は否定するが、日本人によるテロ行為には無関心では国際的にも通用しません。
南京虐殺は無かったという見解やユダヤ人虐殺は無かったという見解がありますが、これは今から50年後の広島の原爆投下は無かったという見解にも繋がるわけです。
先日ジャパンタイムスに体験談として泣き叫ぶ朝鮮の慰安婦や中国東部の占領地域で女性を強姦していたという87歳の元日本軍兵士の記事が写真入りで掲載されていましたが、そういった調査というものを日本政府はしているのでしょうか。
1930年代および40年代に20万人の女性を性労働に従事させていたという事実もあるようです。実際慰安所のことは多くの兵士に語られていましたし、山本七平のフィリピン戦記にも登場します。
これは私の推測ですが、こういった不浄な、女性労働者を集めるという仕事は陸軍の機密費で雇われていた児玉機関や日本財団の生みの親、笹川良一等によって朝鮮、台湾で行われていたのではないかと思います。よって陸軍の公式資料にはのらないのではないでしょうか。
この推測の根拠として戦後直ぐ米軍進駐の際に米軍用の売春宿の経営にあたったのが児玉や笹川などで巨額の利益を上げています。後に児玉はCIAのスパイとして雇われたという事実が米国の公文書館から発見されています。但しおもしろい事実としてドイツでCIAがナチの情報員を雇ってソ連工作による共産主義活動に関する情報を入手していた実績から日本でも児玉たちを雇って日本における共産主義活動を探らせようとしたところ金だけ取られて全くの失敗に終わったようです。その報告書に児玉は金のことしか念頭になく諜報活動は全くの失敗であったと記載されています。このCIAのスパイになったのが陸軍参謀本部の辻正信でもありました。
どんな商売にも必ず裏があります、例えばゼネコンの談合もそうですが、表の歴史と裏の歴史と両方を清濁あわせ飲まないと正確な歴史判断はできません。