「(道州制は)もっともっと深く考える必要がある。
一応提唱はしているが。」
これは都知事選真っ最中の4月1日、テレビ朝日
のサンデープロジェクトで、道州制について質問さ
れたときのに石原さんから出た言葉である。
番組の中で、道州制に関するやり取りは1分30秒
ほどだったが、その中で石原さんからは道州制に対
する肯定的な発言は全く無かった。
ならばなぜ「道州制実現」を公約に掲げたのか。
☆
石原さんは本当の意味でのマニフェストは作らな
かった。出てきたのはこれまで通りの選挙公約で、
がっかりしたが、「東京再起動。8つのプログラム」
の中には、「道州制実現」が掲げられていた。
道州制の実現推進は、当会の今期の活動方針であ
る。その意味では興味を持った。
選挙公約の中の説明には、「現在の行政区割では、
満足な住民サービスの提供ができないという様々な
弊害が生じています。“ムリ・ムダ”を省き、都民
のくらしの利便性の充実をはかるためにも『道州制』
の導入は不可欠です。・・・」とあった。これを読
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めばだれでも石原さんは道州制に積極的だと思うだ
ろう。ところが冒頭の発言である。
別に石原さんが道州制推進論者である必要はない。
反対なら反対、疑問があるならそれはそれで問題は
ない。しかし、ならば公約に載せるな、と言いたい。
石原さんの政策は側近が作っているのかと思うが、
自身の名前で掲げたのである以上その責任は当然石
原さんにある。
そもそも納得していないのであれば、拒否すれば
いいわけで、もし側近が優秀で、それを抑えきれず
に公約として掲げたのであれば、当然それに即して
しかるべき理論武装をすべきである。少なくともそ
れに否定的な発言はすべきではない。
石原さんを選んだ人の6割は人柄で選んだという。
しかし選挙公約は、公の約束である。守らなくてい
いわけではない。
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石原さんが公約を実行するかどうか、道州制に限
らず注視する必要がある。チェック機関としての都
議会、とりわけ都議会民主党の役割が、今後重要に
なるだろう。
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