集団的自衛権、是か非か
(一)最近、与野党間で集団的自衛権保有の議論が高まって来ています。今後、政権が何処になろうが、之が是認され実施される可能性は、相当高いのではないかと思われます。
私にはよく解らないのですが、皆様この問題をどうお考えですか。その是非論につき、皆様にて本誌上で大いにご議論を頂く価値があるのではないでしょうか。私の素人考えでは、この権限を持ち、それを行使すれば、ひょっとしたら、あの忌まわしい戦争に巻き込まれる危険が大きいのではないかと、懸念する次第であります。
(二)この権限は、現行憲法の拡大解釈でも保持可能だし、改憲すれば益々容易に可能になるのではないでしょうか。その結果、例えば米国が日本周辺の台湾・中国・北鮮・韓国等の東南アジア地域又はロシアの樺太周辺、或いは石油ルートの中近東地域において、紛争を起こせば、日本も自動的に之に従軍し、戦闘せざるを得なくなるのではなかろうかと考えます。そうなると、相手国もミサイルや核で日本を攻撃して来る事になるで有りましょう。
今や世界中で各種の紛争が頻発し、何処で何が起こるか想像もつきません。果たして与野党や世間の人々は、そこまで突き詰めて戦争のリスクを想定し、敵弾飛来を予想し、第三次大戦をも考えて、集団的自衛権を検討しているのでありましょうか。
(三)それではこの集団的自衛権を、どうしても持たざるを得ない情勢が本当にあるのでしょうか。米国との安保協定が片務協定だから、之を双務協定に改訂せざるを得ないという理由があるのでしょうか。米国政府から日本政府に、その様な強い要請が本当にあるのでしょうか。或いは又、自発的にそうせざるを得ない事情があるのでしょうか。東南アジアや欧州の国々は、どうみているのでしょうか。
(四)朝日新聞は、5月3日憲法60周年記念日に、8頁に渉り全段抜きで社説「日本の新戦略」を大提言しております。そこでは「9条をもつ憲法は貴重だから変えない。但し、準憲法的な平和安全保障基本法を設け、自衛隊を明白に位置づける。集団的自衛権行使に道を開こうとするのは、乱暴な9条改正論であり、もっと現実的で冷静な議論が必要だ。」としています。尤も、憲法は9条関連以外の箇所は改憲の余地が有ると考えるのか、今一つ不明確に思われる。
(五)以上をご参考に、皆様の活発なご議論を期待するもので有ります。