民主国家インドを再認識すべき

― 今年は「日印友好年です」―

かながわ市民フォーラム 代表 江口 武正


『・今日、インドは日本のODAの最大の受益国であり、こうした援助に我々は深く感謝しております。

 ・90年代の初頭、インドが深刻な経済危機に陥った時期、日本は迷うことなく支援し続けてくださいました。

 ・日本企業に是非インドにおけるプレゼンスを拡大していただきたいのです。』

 

 上記は2006年12月15日にインドのシン首相が日本の国会で演説した内容の一部です。演説は一貫して日本を民主主義のパートナーとして高く評価するもので、日本国民として誇りが持てる素晴らしい内容です。

 今年は日印友好年であり、日印観光交流年でもあります。日本政府はインドとの関係を深めることは日印双方に取り有益であることを認識し、戦略的な意味をもこめて相互交流をおおいに進めています。

 昨年12月のマンモハン・シン首相の訪日以後だけでも、要人の往来は麻生外務大臣の本年4月訪印、ムカジー・インド外務大臣の訪日(本年3月)、浅野外務副大臣インド訪問(本年3月)、森元総理のインド訪問(本年2月)と頻繁に行われています。

 ところで、今年がインドとの友好年であること、シン首相が昨年末に訪日して国会で素晴らしい演説を行ったことをご存知の方は余り多くないのではと思います。恥ずかしながら、私も最近まで知りませんでした。

 中国の温首相の来日がマスコミに大きく取り上げられましたが、隣国として中国とはそれなりのお付き合いを(好むと好まざるとに係わらず)せねばなりませんが、友好ムードの内容には大きな違いがある様に思います。

 民主国家でBRICs の一員である、11億の人口を抱える親日国インドとの関係をマスコミはもっと大きく取り扱うべきにもかかわらず、中国に遠慮してかシン首相の国会演説の翌日の新聞は各社ともこの素晴らしい演説その他を報道しなかったとの事です。

 マスコミは日本が政治的な問題で非難されるようなことがあると、率先して大きく報道するのですが、何故か評価される場合には報道があまりなされません。

 今回のような素晴らしい日本を評価する演説は一面に大きく報道すべきと考えます。マスコミの猛省を望みます。我々市民がマスコミの任務の一部を担うべきと考え当原稿を掲載いたしました。

 今回、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で色々と勉強しましたが、「昭和天皇崩御の際にはインドは3日間喪に服した」との記述があり、嬉しいとともに、その親日ぶりに驚愕してしまいました。今年は友好年であり日印双方で色々な企画が計画されています、我々はさらに民主国家インドに大きな関心を持つべきと考えます。

 シン首相の「日印経済団体共催歓迎昼食会」でのシン首相のスピーチを別途掲載しています。

ご一読を是非ともお願いいたします。

以上


 

*かながわ市民プレス5月号の巻頭言より転載

*「シン首相のスピーチ」は、

かながわ市民フォーラムのHP (http://homepage2.nifty.com/k-heisei/)の中の、「かながわ市民プレス5月号」の中に掲載されていますのでご覧下さい。