「道州制で日はまた昇るか」を読んで

東京都中野区 舛本 純


憂国などと書くと、何やら()()かって(・・・)聞こえますが、私は近頃、財政、外交を中心に日本という国の現状と将来を憂う気持ちが日増しに強くなってきます。

その窮状ともいうべき現在に至らしめた政治体制の打破・打開実現を民主党による「政権交代」に賭け、民主党員にもなり微々たる力ながらボランティアに精を出しているこの処でしたが、道州制ドットコムに成る「道州制で日はまた昇るか」を読んで、もうひとつ政治的手段があることを知り大きな希望を見出しました。まずは、この本を紹介していただいた治田さんにお礼を申したいと思います。

この本は、私のような政治音痴にも分かり易い導きの書になっており、道州制に関わる他の著作を知らずにあえて言わせてもらいますが、秀逸というべき著作と思います。

「道州制ドットコム」がどのような陣容・態勢なのか分かりませんが、日本の現況を実証する資料、取り分け財政面の項目など詳細なデータを駆使されていることに、よくここまで調べられたなと敬服しました。その具体的な資料をバックに、しかし構成は平易になっています。しかも、立っているスタンスは中立というか、謙虚な論述も好感が持てました。かてて加えて、このような国の命運を左右するようなテーマを取り上げ研究を深くすれば、得てしてその意気込みが長大なページ数につながるものでしょうが、よくこの「厚さ」に纏められたと感心します。この厚さなら啓蒙すべき読者にも紐解きやすいでしょう。

そうは云っても、私にとっては「道州制」の上っ面の知識を得ただけで緒についたばかり、理解を深めないといけない項目が沢山ありそうです。この本の中にも<あなたが今できること>という箇所があります。まずは、他の著作・資料に接したり、このテーマに関わる情報を注視していこうと考えています。

また、この本にも旧弊を残したままの形ばかりの道州制移行であるなら何の改革にもならない、と指摘しているところですが、自民党+官僚の手に因るものではなく、やはり民主党の政権下での「道州制」実現こそが、『日出ずる国』(おっと、また右寄りの言葉が出てしまった)を取り戻すことが出来る道筋であると意を強くした次第です。