高速道路無料化推進連盟の立ち上げに当たって

東京都文京区 岡戸 知裕


首都高速道路会社は10月20日来年秋の導入を目指す新しい通行料金制度案を発表しました。現行の均一料金制度を改め通行距離に応じた金額を徴収する仕組みに移行します。

 都内の路線で最低料金を400円、最高料金を1200円に設定し、ETCによる支払いが前提で、現金支払いの場合は距離に拘らず最高額となります。

一律700円の現行料金に比べ、10キロ未満だと値下げ、19キロ以上だと値上げになります。神奈川線(現行は一律600円)埼玉線(同400円)も同様に通行距離に応じて料金を段階的に上げる仕組になっています。

首都高の料金収入予測では距離別料金制に移行しても変化はないとの見解ですが実際短距離で首都高速を使用するケースは基本的には無いに等しいので実質値上げに繋がるとみています。

首都圏という狭い地域を東京、千葉、埼玉、神奈川で分けて別料金にするという考え方自体が非常におかしいと思います。

例えば埼玉のある都市から三浦岬まで車で行った場合、埼玉県、東京都、神奈川県の各高速と最後に横浜横須賀道路、そして料金所を出たらまた直ぐに町営の道路の支払いがあるなど真に馬鹿々しい限りです。高々100キロ程度の距離で、同じことをフランスでやれば暴動が起こるでしょう。フランスであれば、大まかに言えば10キロで1ユーロですから片道1650円程度になります。1650円という金額は横横道路とほぼ同じ金額になり、全行程でフランスの2倍以上になります。

こういうおかしなシステムは人や物の移動を阻害し大きく観光産業に悪影響を及ぼすことになります。

現在首都高速のURLに値上げのアンケート調査が載っていますので、反対を表明して頂ければ幸いです。

私はこれを機会として高速道路無料化に向けて運動を始めるつもりです。

外需(輸出)に頼らず観光の促進を通じて内需拡大を計るべきです。

■現況

日本の高速道路は、全額料金収入により建設されています。

自動車保有者は、この高速料金の他に一般道路建設目的税であるガソリン税(53.2/L)や、自動車重量税等を含む自動車関係諸税(年間10兆円)を負担しており、長らく二重負担を強いられてきました。

さらに、高速道路に運賃プール制を採用したことにより、地方の不採算路線の赤字を東名や名神など償還が終わった路線が負担し、赤字路線の建設が進んだことにより高額な料金体系が出来上がり、運送会社も高くて使えないような高速道路になっています。

■無料化は可能か?

二重課税問題にからむ、自動車取得税と自動車重量税、それに臨時措置として倍額に増額されてきた、ガソリン税の半分を使用すれば、年間3.3兆円(99年度)に及ぶ建設費に関る金利と償還費用にあてることができ、無料化が可能になります。

これによる経済波及効果は莫大なものがあるということは言うまでもありません。

物流コストの低減、人と物の自由な往来が可能になり、地方の観光資源の活性化に繋がります。これが内需拡大による景気の回復です。

最後にフランシス・ベーコンの言葉を付け加えます。
「国家の繁栄と偉大さを決定するものに3つの要素がある。それは肥沃なる土地繁忙な工場、人と物の場所から場所への容易な輸送である」 フランシス・ベーコン