民主党が提出した「農業者戸別所得補償法案」の概要
当会の運営会議では9月から民主党マニフェストの勉強会を実施しております。
12月に行った農業に関する第3回目の勉強会では、民主党が提出した「農業者戸別所得補償法案」を検討しました。その法案の主要部の骨子のみを下記に紹介します。法案の全文に関心がお有りの方はokabe151@nifty.com宛てメールアドレスをご連絡下さい。PDF版の全文をお送りします。
なお、この法案は11月9日に参議院で可決され、同日衆議院で受理されています。
記
第1条の「目的」で、この法律は食料自給率の向上、地域社会の維持・活性化、農業の有する多面的機能の確保の三つのことを目的とする旨が述べられています。
第4条の「販売農家の所得を補償するための交付金の交付」は、この法案の核心部分となる条項です。要約すると交付金は次の計算式で算定された金額になるものと思われます。
交付金(*1) = 面積単価(*2)×生産面積(*3)×α(*4)×β(*5)×γ(*6)×δ(*7)
(*1)交付金 :販売目的の農産物生産者、農業生産活動の協同組織、農作業の受託組織に交付される。
(*2)面積単価:主要農産物の種類別に標準販売価格と標準生産費の差額を基本とする。
(*3)生産面積:販売数量を面積に換算したもの。
(*4)α :農産物の品質
(*5)β :経営規模の拡大に資する度合い
(*6)γ :環境の保全に資する度合い
(*7)δ :米に代わる農産物の生産の要素
第8条の「農業の生産条件の格差を是正するための交付金の交付」には、現在既に実施されている農業生産条件不利地域の格差是正のための交付金を地方公共団体に対し引き続き交付することが述べられております。
附則の第2条では現在実施されている「農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律」は廃止することとし、また最後に、この法律の施行に伴い必要となる経費は平年度約1兆円の見込みであると述べられています。
以上