江口克彦著「地域主権型道州制」の要旨(1)
道州制実現推進委員会副委員長 岡部 俊雄
生活者通信2008年2月号でPHP研究所江口克彦氏著の「地域主権型道州制」について、道州制実現推進委員会の平岡委員長が感想を述べました。道州制実現の推進は当会の二大目標の一つであり、また、この本の内容は我々が持っている問題意識や、考えていることとほぼ同じです。皆様にはこの本を是非ご一読頂きたいと思いますが、お忙しい方のためにその要旨を10回位の予定で連載します。
(1)はじめに
自分はかつて中国の要人から「日本の方が中国より社会主義ですね」と言われたことがある。この言葉があながち不当ではないほどに日本は中央集権国家である。この中央集権体制が続く限り、「東京富んで、地方は貧す」の状態はますます進み、このままの状態が続けば、あと20年もすれば日本の人口の50%は首都圏に集中し、地方は座して死を待つことになる。諸悪の根源は中央集権体制である。これを改めない限り、ほどなく日本は衰退の途をたどることになる。
一刻も早く「全国どこでも元気」にする「地域主権型道州制」に「国のかたち」を作り変え、繁栄、発展の拠点を全国に十数か所作らなければならない。
この「地域主権型道州制」はアメリカのような「連邦制」でもなく、単に都道府県を統合し、中央の意のままになるような「道州制」でもない。
「地域主権型道州制」とは全国を12の州、300の基礎自治体に再編し、それぞれの地域が税財源などを掌握し、主体的に住民密着の政治行政をする、そのような統治形態をいう。そして「全国どこでも元気」にしようとするものである。
反対のための反対、重箱の隅をつつくような反対や、揚げ足取りは止めにして、崩れつつある今の日本を救うために、真剣な全体構想をもって本書を読んでいただき「地域主権型道州制」に対する理解と賛同が得られれば幸いである。
(来月号につづく)