生活者主権の会生活者通信2008年04月号/01頁




生活者通信【4月号】

第152号・2008年04月01日発行   ホームページ・アドレス http://www.seikatsusha.org/
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参議院逆転の重み

生活者主権の会代表 小俣一郎

 日銀総裁が戦後初めて空席となった。
 福田首相は民主党の出しているサインを無視し
た人事提案を繰り返し、結局野党の同意を得られ
なかった。これは、参議院で野党が多数を占めて
いる現実を改めて実感させる出来事であった。
 いわゆる「ねじれ国会」になり、その状況下で
の初めての予算審議が、道路特定財源の一般財源
化の是非、暫定税率を継続するか否か、を中心に
展開されているが、衆議院での道路特定財源をめ
ぐる議論の中で、そのいい加減な使われ方が次々
と明らかになり、また道路中期計画自体が古い調
査結果に基づいて作られたことも判明した。
 ところが政府・与党は、道路予算を守るために
追加の審議の要求ははねつけ、関連法案と一緒に、
強引に衆議院を通過させてしまった。それが民主
党の態度をより硬化させ、また大義名分を与える
ことにもなった。
 いま民主党が強気に出ているのは、各種世論調
査で、民主党の主張する道路特定財源の一般財源
化と暫定税率廃止への支持が高いからであろう。
 この事実は重要である。政府・与党は落ち着い
て、この国民の声に耳を傾ける必要があるのでは
ないのか。まして直近の国政選挙では与党は大敗
しているのである。
 暫定税率が切れる年度末まで1週間を切り、今
後どのような展開になるかはわからない。交渉も
繰り返されており、この原稿が皆さんのお手元に
届くときには状況が一変しているかもしれない。
が、間違いなく言えることは、もし先の参議院選
挙で野党が過半数を占めていなければ、道路特定
財源や暫定税率について、いまのように議論が深
まることはなかったということである。
 たとえ議論があったとしても、安倍内閣での年
金法案等々の強行採決を思い出せば、両院で主導
権を握った政府・与党のペースであっさりと幕が
閉じられていたことだろう。
 先の防衛庁疑惑や薬害C型肝炎問題に続き、今
回の一連の出来事でもこれまでの政策のいい加減
さが明らかにされた。参議院の逆転によって政治
に大きな変化が起こっていることは間違いない。


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