混乱?? 混乱のどこが悪い!! 混乱を楽しめ!!!

東京都豊島区 吉井 正信


最近政府が用いている言葉に「混乱」「混乱をあおるな」などが頻繁に登場している。非常に政権側に都合のよい言葉である。

 安倍前首相は長妻昭民主党議員に対し、年金問題で混乱をあおるなと国会で答弁した。散々国民をだました挙句、問題点を指摘されると、大した問題ではないから大騒ぎするなと野党議員に対し国民をあおるような言葉は慎めと注文をつける。

 今回の暫定税率廃止問題も同様である。現場が混乱するからと野党に譲歩するように迫る。

 日本国民よ、強くなれ。混乱を恐れるな。このぐらいの混乱を恐れては、永遠に政権交代はありえない。

 国民は政府の愚民政策により、お上の政策は全て正しいし、国があなた方に代わり、税金の納付など面倒なことは政府が全てやってあげますからと、確定申告しなくても給料から天引きして徴収することにも慣れてしまう。

 自分で確定申告すれば、いろんな矛盾がわかり、現政府の政策についても考える機会が増えるのに、それを放棄してしまう。

 税法改正により、住民税が引き上げられたが、政府は所得税を引き下げたから同じだと説明しているが、課税年度の違いで増税になっている人もいれば、収入の多い人は逆に減税になっている事に誰も触れようとしない。

 このことは、豊島区の区報に説明文が掲載されたときに、豊島区に同じではないと矛盾を指摘したら、担当者はあっさりと認めている。矛盾には気づいているが、政府の指導でやっているから仕方がないと電話で回答している。

 知り合いの税理士も問題点があるのは知っているというが、誰も異論を唱えない。政府、税務署には仕事の都合上、異論を唱える勇気がないのだろうか。その結果政府を信用して納めた年金が消えてしまう。

 ガソリン税の廃止をめぐっても、マスコミは混乱の報道を盛んにしているが、このような混乱を楽しみにする勇気がほしい。2ヶ月だけになるかもしれませんが、25円の値下げを楽しめ。

 期限が切れた法案は一旦廃止が当然である。国民が必要と認めるなら、再度法制化すればよい。

 政権交代には常に混乱が伴う。南北ベトナムと東西ドイツの統一は大混乱を乗り越え偉大な国に成長している。最近のコソボ独立も混乱が収まりつつある。

 今年に入ってから韓国と台湾で大統領選挙ならびに総統選挙が行われ共に野党が勝利し政権交代が実現している。

 政権が変わるのだから、当然政策が変わり、公約を実現するための法律改正が行われる。それに不満を唱える国民は少数のはずだ。自分たちが選んだ道だから多少の混乱は覚悟のうえだ。

 暫定税率廃止に伴う混乱などは混乱のうちに入らない。政府の脅しに騙されるな。このような経験を積むことにより、国民も政府の脅しに慣れ、自ら望む政府を選択する勇気が出てくることでしょう。

 チベット騒乱とちがい、このような混乱は大いに楽しむべきだ。