江口克彦著「地域主権型道州制」の要旨(10)

道州制実現推進委員会副委員長 岡部 俊雄

生活者通信2008年2月号でPHP研究所江口克彦氏著の「地域主権型道州制」について、道州制実現推進委員会の平岡委員長が感想を述べました。道州制実現の推進は当会の二大目標の一つであり、また、この本の内容は我々が持っている問題意識や、考えていることとほぼ同じです。皆様にはこの本を是非ご一読頂きたいと思いますが、お忙しい方のためにその要旨を10回に分けて連載しました。

 

(10)結び全文)

 『地域主権型道州制』は、中央集権という後発国的な発展モデルを打ち砕き、住民みずからの力で地域を活性化させ、地域全体で国を活性化させていく、すなわち「日本どこでもみな元気」にするという、これからの日本にふさわしい「新しい国のかたち」にほかならない。各地域、国民一人ひとりが、みずからの責任と創意工夫で、それぞれに努力し、競争し、協力し、二十一世紀の日本を、豊で、安全で、安心で、楽しく、生きがいのある、美しい国につくりあげていきたい。『地域主権型道州制』は、それを実現するシステムなのである。

 私たちは、そして私たちに続く子や孫のためにも、今私たちは、画一的、拘束的で、不自由で、個人の個性を抑圧し、依存心と甘えを助長する、そうした中央集権体制を打破し、繁栄と発展、穏やかで活気のある日本をつくるために、『地域主権型道州制』の選択に踏み切らねばならないと信ずる。さもなければ、ほどなく日本は衰退の道をたどり始めるだろう。悠長に議論している時間はない。また、議論のための議論、感情的な議論をしている呆け者であってはならない。今こそ冷静に、私たちは、日本の明日をみつめて、最善の道を選択しなければならないのである。