江口克彦氏の「地域主権型道州制」を読んで

千葉県柏市 平田 辰郎


 現在の日本は明治維新以来続いて来た中央集権的な国家の統治システムにより東京だけ、あるいは東京圏、首都圏だけが繁栄する構造になっている。これは東京だけにヒト、モノ、カネ、情報が集中し巨大なマーケットを作って来た結果である。その反面地方はビジネスでもヒトもお金も東京に吸い取られて寂れる一方である。このままで行けば日本はグローバル化が深化する今後の国際社会の中で競争に敗れ、近い将来経済的にも二流国、三流国になってしまう可能性がある。

 日本が今後共生き残り世界と競争して行く為には「地域主権型道州制」を早急に導入しなければならない、という事が非常にわかり易く説得力を持って語られている。その場合現在の霞が関の中央官庁を残したままでの「道州制」とか「地方分権」では全く意味がない。「地域」が主体性を保つ為には課税自主権、税率決定権、徴税権を持つ事が絶対に必要である。

 国、道州、市がそれぞれ役割を分担し、国の役割を出来るだけ小さくし、国の過剰な干渉を排除し、企業や地域住民の自由意志を尊重し、国民も地域も個人も自分自身の足で立つ社会を築き上げる事が大切である。

 100年来続いて来た中央集権制を変える、という事は、当然の事ながら簡単な事ではないが、小手先だけの改革では日本に明るい未来は訪れない。

 「地域主権型道州制」を導入する事によって、新しい希望に満ちた日本が生まれる!という思いを強くさせて頂き、有難うございました。