彦根市のひこにゃんパスポート

東京都小平市 小俣 一郎


 昨年の10月には「ゆるキャラまつり」も開催され、いま「ゆるキャラ」がブームになっているが、その火付け役となったのは、2007年滋賀県彦根市で開催された国宝・彦根城築城400年祭のメインキャラクターの『ひこにゃん』だ。

当初は400年祭の終了とともに姿を消すはずだったのが、その絶大なる人気で生き延びたひこにゃん。いまも人気は衰えず、いやますます人気が高まり、今年のバレンタインデーには全国31の都道府県から、チョコレートやクッキーなど計186個が届いたという。昨年は43個だったから3倍以上に増えたことになる。

 このひこにゃんが彦根市の「ふるさと納税」にも活躍している。

 彦根市のふるさと納税制度には、「ふるさと彦根まちづくり事業」等、6つの寄附指定事業があり、2008年の寄付の総計は270件で約250万円。その内、203件、約150万円が「みんなのひこにゃん応援事業」への寄附とのこと。件数で約75%、金額でも約60%がひこにゃんへの応援だ。おそらく、彦根市をふるさとに持たない方も多く寄附をしているのだろう。

彦根市の特典は、5000円以上の寄附をした人に、彦根城や彦根城美術館など4か所の入場料が1年間無料となる「年間パスポート」が贈られるというもので、そのパスポートカードには、彦根城をバックにした、ひこにゃんの姿が写っている。

 歴史好き、お城も大好きな私は、200711月に久しぶりに彦根城を訪ね、ひこにゃんとも握手をしてきたが、今年はこのひこにゃんカードを手に入れようかと考えているところである。

 このふるさと納税制度は、制度的には疑問符も付くが、各都道府県や市区町村が、それぞれ工夫を凝らして寄附を集める、というところは評価できるのではないかと思う。

 分権は、民主党政権になれば劇的に、自民党政権でもそれなりに進むことになるだろう。当然、地方自治体には、より「自立」が求められるようになる。各自治体はその地域の特色を生かして、自らの工夫でその活性化を図らなければならなくなるのである。

ふるさと納税での「知恵」比べ、ぜひ皆さんもHP等で比較してみて下さい。