小沢民主党代表の秘書が突然逮捕され、また、
政治とカネの問題がクローズアップされることに
なった。今後これがどのように展開するかはわか
らないが、これを機に、民主党は企業団体献金の
禁止に踏み込むべきである。
小沢代表は、全面公開は必要だが、企業献金自
体は容認するという立場をとってきた。小沢代表
になってから、民主党は「公共事業受注企業から
の政治献金全面禁止」という旗を降ろしており、
トーンダウンしているのは明らかである。
その小沢さんが、「今回の教訓としてやるなら
ば、企業団体献金を全面的に禁止すべきだ」との
発言を行った。これまで壁になっていた小沢さん
から、今まで以上に踏み込んだ形でゴーサインが
出たのである。いまこそ、党が一致団結してその
実現に邁進し、失われかけた信頼を回復すべきで
ある。
企業団体献金の禁止をマニフェストで打ち出せ
ば自民党との差別化は鮮明になる。また、民主党
の一部に残っている自民党的イメージも払拭する
ことができるだろう。それは政権交代の実現に向
けてプラスに作用するはずである。
いま、100年に一度の経済危機と言われ、政
府による財政出動が再び脚光を浴びようとしてい
る。公共事業にしろ、補助金等にしろ、「公金」
がより多く使われるわけで、当然、それによって
潤う企業も出てくる。だからこそ、その公正性を
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疑われないためにも、企業の色のついた献金は止
めるべきだし、迂回献金などと疑われるような
「穴」もふさぐ必要があるだろう。まさしく、そ
のようなけじめをつける時期が訪れたということ
である。
もちろん、民主党が政権を取ったとしても直ぐ
に実行というわけにはいかないだろう。他党との
調整も必要かもしれない。しかし、どのような手
順で行うのかはマニフェストに明記しておく必要
がある。それこそが他党をも巻き込んだ改革の力
になるからだ。
例えば、政権を取ったら直ちに法改正を行い、
来年、平成22年からは企業団体献金は政党本部
のみとし、政党支部が受け皿になるのを禁止する。
政党本部に一本化すれば透明度は各段と増すこと
になり、国民の監視の目がより届くようになる。
次に、他党とも協議して、22年中には個人献
金がしやすくなるように制度改正を行い、ただち
にその十分な周知を図り、22年分の確定申告か
ら税控除ができるようにする。
そして23年には企業団体献金の限度額を半減。
24年からは、「全面禁止」にする。といった明
確な道筋を示すことが必要になるだろう。
民主党に期待されているのは、自民党長期政権
がもたらしたひずみの一掃である。そのためにも
民主党はその工程も含めて、「企業団体献金の全
面禁止」をマニフェストに明記すべきである。
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