3月24日に小沢民主党代表の秘書が起訴され
たが、虚偽記載容疑のみであった。これを検察の
失敗と断じる意見もある。現時点で代表を辞める
ことは検察の主張を認めることになり、小沢さん
もいま引くことはできないであろう。
この一件で民主党に吹いていた順風は、にわか
に逆風となっている。しかし、今回もそうである
ように、世論はその時々の出来事で大きく揺れ動
くものであり、現在の支持率に一喜一憂する必要
はないであろう。
それよりも私は、これにより小沢さんは政権交
代への最高の切り札を手にすることになった、と
考えている。それは「首相候補交代」という切り
札である。
そもそも、民主党が優位に立っていた時も小沢
首相への期待値は低かった。麻生首相があまりに
もていたらくなので相対的に上がっていただけの
ことである。
|
くちべたを自認する小沢さんには、説明能力や
情報発信能力がより要求される首相は向いていな
い。裏に回ってこそ小沢さんの強さが発揮される
のであり、小沢さんもご自身でそれを自覚されて
いると思う。しかも健康に不安を抱えている。も
し小沢さんが首相候補であれば、総選挙が近くな
ればなるほど、その弱点に対する与党の攻撃は強
まってくるだろう。
しかし、支持率が高く順調な時にトップを変え
ることは逆に難しい。が、いまその状況が変わっ
た。「検察の暴走だが、政権交代実現のために裏
方に回る」というのであれば、自身を傷つけるこ
となく、政権交代に向けての最大の弱点を消すこ
とができる。
小沢さんはいま、「いつの段階で首相候補交代
の切り札を切るのが最善か」熟考しているところ
だと思う。最高の時期に、それも国民が驚くよう
な形で「切り札」を切る、と私は考えている。
|