新代表は党員選挙で選べ!

━━━ 生活者通信メルマガ版 平成21514  Vol.78 ━━━

                   生活者主権の会  小俣  一郎


 5月11日、小沢民主党代表が辞意を表明した。

 それは劇的なタイミングではなかったが、言葉の通り、政権交代の実現に向け、挙党一致の態勢をより強固にするために熟慮を重ねた結果なのであろう。

 民主党はこれから反転攻勢に打って出ることになる。

 まずは新代表の選出ということになるが、なんと民主党は早々に5月16日の両院議員総会で選挙することに決めてしまった。これはいったいどういうことであろうか。

 次の民主党代表は次の「首相候補」である。つまり今度の代表選挙はまさしく「首相予備選」なのである。当然、党員、サポーターも含めた正規の形で行うべきではないのか。

 民主党は「国民の生活が第一」を掲げている。その国民を重視する民主党が次の首相候補をなぜ国会議員だけの選挙で決めてしまうのか。広く党員、党友の声も反映させるべきではないのか。

 代表選挙が、早期の、両院議員総会での選挙に決まったことで、マスコミでは「禅譲」という言葉も踊っている。大切な代表選挙が国民にそのように疑われるようなやり方になるのは最悪である。

 小沢さんは政権交代の実現のために代表を辞任したのである。ならば、今回の代表選挙はそのために有効に活用しなければならない。党の政策をより多くの国民にアピールできるせっかくのチャンスを自ら捨ててしまうような愚かなことは止め、それこそ、党が一丸となって首相予備選を大々的に行い、大いに盛り上げて、現在の劣勢を挽回する起爆剤にすべきではないのか。

 党員・サポーター募集を5月末まで続け、次の首相候補を選択したい人に広く門戸を開く。次の民主党代表は次の首相になる可能性も大きいわけで、その選出に参加したい国民にはその機会を広く与えるのである。そのような活動を積極的に行うことにより、新しい党員、党友を獲得できれば、沈んだ党内の雰囲気も一変するはずである。

 そして6月に代表選挙を行い、民主党の主張を広く国民に周知させるとともに、どの候補を代表に選ぶとどのように政策の重点が変わるのかといった情報も国民(代表選挙の有権者)に正確に伝え、その上で、国民の声を背景に「新しい民主党の顔」を選ぶのである。

 いま代表選挙を正規の形で行えば、まさしくアメリカの大統領予備選のような形にすることができる。アメリカの大統領予備選が盛り上がるのは、国民がそれに参加できるからであり、それができるいま、それを行わない手はない。

 民主党の新代表には誰がふさわしいのか。

 国民の声で次の総選挙で勝てる代表を選ぶのである。だれが選ばれたにしても、そのようにオープンに行った方が選挙後のしこりも少ないはずである。それこそ小沢さんが望む挙党一致態勢の強化にもつながるだろう。もしそれでごたごたするようではそれこそ政権を任せるには値しない。

 昨年のアメリカ民主党の大統領予備選を思い出して欲しい。あのように激しい予備選が行われ、しかし、負けたクリントン氏はいまオバマ大統領に全面的に協力し、国務長官の要職にある。日本の民主党も当然同じように、代表選挙後は政権交代に向けて一丸となって新体制をつくれるはずである。

 9月までに必ずある総選挙は、参議院の与野党が逆転し、政権交代が視野に入った上で行われる、つまり、国民が「首相を選ぶ」という意識を持って行われる初めての総選挙である。

 だからこそ、その戦いの先頭に立つ新代表=首相候補は、広く、党員、党友の声を反映して選ばれるべきなのである。

 いまならまだ間に合う。民主党は16日の投票を中止し、正規の形で代表選挙を行うべきである。


著者・小俣一郎氏関連のHP http://www.seikatsusha.org/ne/omata/

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