生活者主権の会生活者通信2009年07月号/01頁




生活者通信【7月号】

第167号・2009年07月01日発行   ホームページ・アドレス http://www.seikatsusha.org/
年会費:1口 1,000円(1口以上)
郵便口座番号:00180-2-117354・郵便口座名称 生活者主権の会

発行人・編集委員長:小俣一郎
編集委員:岡部俊雄・治田桂四郎・松井孝司・吉井正信
事務局:〒187-0011 東京都小平市鈴木町1−498−6 小俣一郎
TEL&FAX:042-326-7229  E-MAIL:i.omata@nifty.com


16年前との違い

生活者主権の会代表 小俣一郎

 民主党代表が鳩山さんに代わり、合わせるよう
に、民主と自民の支持率がまた逆転した。これは
現在の自民党政権に対する国民の不信感が根強く
存在することの表れだろう。
 平成5年8月の細川政権発足以来16年。日本の
政治はいま大きく変わろうとしているわけだが、
当時と比べて大きな違いが3つある。それは「国
民に前もってはっきりとした選択肢が示されてい
る」、「選挙公約が政権公約(マニフェスト)に
代わり、その内容が明確になっている」、「参議
院ではすでに与野党が逆転している」の3つであ
る。
 平成5年の総選挙は、中選挙区制での最後の選
挙で、しかも政治改革問題をめぐって宮沢内閣の
不信任案が成立し、自民党が分裂した状態で行わ
れた。前年の日本新党に加えて、直前に新生党、
新党さきがけが結成され、まさしく混沌とした中
で選挙が行われたのである。そして、自民党は過
半数を取ることができず、結果、小沢さんによる
8党派連立という、それこそ「神業」によって細
川政権ができたわけである。
 しかし、それは「後出し」でできた政権であり、
国民に前もって示されたものではなかった。当然、
政権基盤も弱いものであった。また、たなぼた的
に細川さんに首相の座が舞い込んだが、あの辞任
の仕方をみても、細川さんに首相になる十分な覚
悟があったとは思えない。
 それに引き換え、今回は民主党という大きな受
け皿がある。民主党政権か自民党政権か、はっき
りした選択肢が示されているので、次の総選挙で
は、国民は政権を選択するという意識を持って投
票することができるわけである。そして鳩山さん
は、民主党が勝ったならば当然自分が首相になる
ことを自覚し、それに備えている。
 政策的にも、8党派連立の細川政権は、政治改
革についてはともかく、他の問題では温度差も大
きく、国民福祉税といった大きな政治課題が突然
飛び出してくるような状況だったから、政策的に
行き詰ることは必然だったのかもしれない。
 しかしいまは、マニフェスト選挙の時代になっ
ている。党として事前にしっかりとした政策を示
さないと評価されない時代になっており、だから
こそ、政権を取った際の方向性がより明確に打ち
出されてもいる。
 現在政権の座にあり、またこれまで長らく政権
の座にあった自民党にとっては、マニフェストの
ウエイトはそれほど大きくないのかもしれない。
しかし、これから政権を取ろうという民主党にと
っては、党として国民と約束した内容について、
マニフェストに書いた内容について、それを順守
することがまさしく政権を運営するということで
あり、それはその結束を維持するための装置であ
るともいえる。
 昨年10月にも予想された総選挙。その時のため
に民主党が用意したマニフェストは、その後10か
月をかけて、さらに練り直され、その出番を待っ
ている。
 そして、2007年の参議院選挙では民主党が大勝
し、参議院ではすでに与野党が逆転している。こ
れにより野党の力が強まり、それまで隠されてい
た事実が表に出てくるようになった。これは国政
における大きな変化である。国民の多くはそれを
評価しているはずである。
 衆議院議員の任期は9月10日まで。いよいよ秒
読みに入った。選択の日が近づいている。



生活者主権の会生活者通信2009年07月号/01頁