なぜ首都高速は無料にならないのか?

東京都文京区 岡戸 知裕


民主党の政権公約で無料化が謳われていますが、首都高速は例外となっているようです。

理由は無料化すると混むからという、実に稚拙な発想から出ているようです。

1)無料化すると混むという意見について

これは実に稚拙な発想でしかありません。

首都高が混んでいる原因は、通過車両が全体の60%あるからで、東京の外郭環状線が完成すれば、混雑は解消に向かいます。

無料にすると、確かに首都高の利用頻度は高まりますが、その分一般道がすくことになります。首都高というのは東京という巨大な街のバイパスですから、トラックなどが街中を走ってもらっては困るわけです。そうなることにより排ガスもひどくなるわけです。

今の政策は高率の税金を賦課することにより、東京の環境汚染を促進しているわけです。

トラック業界の過当競争から、高速料金は運転手の負担になっています。よって高速は使わないというのが常識になっています。例えば東京港についたコンテナの多くは首都高を使わずに、銀座のメインストリートを抜けて東名や中央に向けて行くわけですが、パリのシャンゼリゼをコンテナが通るのかという議論にもなるわけです。

つまりバイパスなのだという認識が必要で、高速道路という言葉は自動車が普及し始めたときにできた言葉で、いまだに過去の発想のままだと言えます。

2)環境という観点から

要するに首都高に乗らなければ、一般道を走るわけで、首都高に料金を賦課すれば一般道が混むという当たり前の結果になります。

例えば東京〜横浜間は役所仕事の典型で二重徴収されています。東京サイドと神奈川サイド両方の合計で1300円も徴収するわけですが、その結果国道1号が混雑し、沿道の大気汚染がひどくなり集団訴訟に発展したわけです。

つまり多少混雑しても信号がないほうが排ガスが少ないわけです。

アクアラインなど典型で、東京湾をぐるっと一周したほうが料金が安いわけですが、環境という観点からはナンセンスな話です。

3)エネルギー効率という観点から

当然一般道を走るよりは、エネルギー効率という観点から信号機のない高速道路の方が良いわけです。

これは環境に対する負荷という観点からも好ましいわけです。

4)高速料金は運転手の負担というのが常識であることを知っていますか。

運送会社同士の激しい競争と荷主側の要求により、荷主側が高速料金を支払わないということが業界常識になっています。

このように社会的弱者にしわ寄せがゆくというのが現状で本来共産党などがこれを問題にすべきであると思います。

要するに何のために高速を建設したのかという建設目的にさかのぼる議論になるわけですが、日本ではやはり道路を建設すること自体が目的化されていますので、国民経済的な観点から論議されることはないわけです。まさに木をみて森を見ずになります。

5)バイパスという発想が必要

どこかの市町村がバイパスで料金徴収を行ったら、街中にトラックが入ってきて騒音で夜も寝られなくなったところがあります。これも経済原則が働いています。

要するにバイパスは無料にして街中に通過車両を入れないようにするのが、本来の姿でしょう。

6)アクアラインは愚の骨頂

無料にして千葉と神奈川というGDPの高い地域を統合して、シナジー効果を出すことが、常識的な経済政策といえます。

高額料金を賦課した結果、ゼネコン国家日本を象徴する、誰も使わない道路を建設したことになり、国際的にみれば日本が大恥をかいたことになります。これは難しい議論でもなんでもありません。

つまり木更津に住んで横浜に通勤する人や、神奈川に住んで千葉にゴルフに出かける人が増えても良いわけです。

アクアラインが無料化されれば、経済効果はかなり期待できると思います。

最後に環境という観点からいうと、自動車を規制の対象にすることにより環境基準を達成しようとする方法、 例えば税金を賦課するなどの方法では、経済活動が犠牲になります。つまり景気に影響が出てくるわけです。結論から言えば、エネルギー転換だと思います。つまり石油から電気への転換に他なりません。

これにより新技術の開発が促進され、日本が世界をリードできる千歳一隅の機会ともなるわけです。つまり景気刺激という観点から申し分ないわけです。(技術開発立国になれば人口の高齢化も問題なくなるはずです。 つまり発想というのは年齢に関係がないのです。)

無料化と自動車のエネルギー転換を同時に政策として取り入れることにより日本のGDPを大きく上昇させることが可能になると思います。