鳩山首相は10月26日の就任後初の所信表明演説
において、鳩山内閣の現在の取り組みを『無血の
平成維新』と表現しました。
私も総選挙前後の巻頭言で『平成維新』という
言葉を多用しましたが、時の首相が初の所信表明
という晴れの場でそれを使ったことは驚きであり、
非常に嬉しいことでありました。
「平成維新の会」を前身とする当会にとって、
これまでの長い活動を慰労するかのような出来事
であったかと思います。
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さてその鳩山内閣だが、12月中旬に発表された
各紙の世論調査で内閣支持率が軒並み急落した。
そこでは鳩山首相のリーダーシップに対して厳し
い評価がされていた。
国連での演説で颯爽とスタートした鳩山さんだ
が、その後は予算折衝や普天間基地問題等でその
指導力に?マークが付けられている、というのが
現状かと思う。偽装献金問題も影響しただろう。
政権交代100日目という節目の日に元秘書が
起訴され、謝罪会見をせざるを得なかったことは
いまの鳩山さんの状況を象徴するような出来事だ
ったが、はたしてこれを機に反転攻勢できるのか。
改めて鳩山首相の力量が問われている。
一方、民主党への支持率はあまり下がっていな
い。大臣始め政務3役が活躍し、「仕分け人」が
ムダを追及。これまでの自民党政治とは違った、
政治家が中心となった政権運営が、しかもオープ
ンな形で展開されていることが、民主党に対する
期待値が依然高い要因かと思う。
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年が明け、通常国会が始まる。
閣議決定された来年度予算案には、新政権の特
徴を出そうとした努力の結果が表れているとは思
うが、時間的な要因もあり、ムダ削減への踏み込
みが不十分であることは否めない。
不況による税収の大幅な減少という追い打ちも
重なり、マニフェストで打ち出した政策にも過渡
的な妥協を入れざるを得なかった。それでも国債
発行は税収を上回ることになる。当然国会では野
党から激しく追及されることになるだろう。
国会審議を通じて、現状を国民に丁寧に説明す
ることが必要である。
並行して、ムダの削減に常に取り組み、それこ
そ特別会計を一つずつ洗い出して、政策の原資を
発掘する作業が不可欠である。まとまった額が出
てくれば、直ちに補正予算を組むという方法でさ
らなる景気対策も打てるし、政権公約をより推進
することもできる。
もちろん、情報公開には当然引き続き力を入れ
なければならない。自民党時代に密室で行われて
いたことを、隠されていた情報を、できるだけ表
に出す。「核密約」のように、政権交代を機に表
面化する情報はこれからも続くだろう。
混乱している沖縄の問題も、隠されていた情報
が明らかになるといったことがあれば、先送りと
も見られている鳩山さんの決断が、結果的には大
きな転機をもたらし、鳩山内閣への支持率が回復
するということになるかもしれない。
ともかく、『平成維新』はまだその端緒につい
たばかりである。鳩山さんの奮起に期待したい。
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