一番大事な事、それは、道州制実現の推進であります
道州制実現推進委員会委員長 平岡 昭三
鳩山首相、小沢民主党幹事長、所管の原口総務相始め、全国47都道府県知事、マスコミ等に対して(写しを含めて120人に)、下記の提言書を送りましたのでご報告します。
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H.21.12.8.
民主党 代表 鳩山由紀夫 様
民主党 幹事長 小沢一郎 様
民主党 総務相 原口一博 様
全国知事会 各位
朝日、毎日、読売、産経、日本経済、各編集局長 各位
NHK,日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京 各編成局長 各位
(写し)民主党 国会議員 幹部 各位
生活者主権の会 道州制実現推進委員会
委員長 平岡昭三
前略
『皆様!一番大事な事を忘れていませんか』
『それは、道州制実現の推進であります。』
(一)本年11月25日、全国知事会は鳩山首相との会合において、「地域主権基本法」の制定を求めました。之に対し首相は之に合意し、その法制化を約しました。そしてそれは「国と地域のあり方を根本的に変えるため、理念を明確にする必要が有り、国の役割、都道府県の有り方は、どう有るべきかを考える事は充分有り得る、と語りました。
私共は、この会合は歴史的意味を持つ大変重要なものと考えます。それは愈々長年の中央集権制を地方主権制に移行させるという、歴史的大転換の第一歩であります。然しながら、地方主権制の具体的な新しい制度については、国と道州と基礎自治体との三層制論や、道州制無しの二層制論など、種々の議論が有り、その全体像は未だ誰も完全に描ききれておりません。知事会がその会合で、地域主権基本法について、理念や具体的手順やスケジュールまで制定するよう言及したのも、その故だろうと思います。そして、何時までも詳細案の無い議論ばかりでは、国民は前途の光明を見出し得ず、不安になるばかりであります。
そこで私共は僭越ながら、今皆様が国民の不安解消と国運の発展の為、直ちに取るべき一番重要な行動を、茲にご提案申し上げ、ご参考に供したいと存ずる次第であります。
(二)鳩山代表 様
上述の全国知事会との会合でのご発言は、誠に結構でありましたが、貴方の結党以来のご持論であり、党是でも有りました道州制の実現推進について、何故リーダーシップを発揮しないのでありましょうか。実力者の小沢さんが国と基礎自治体との二層制を称えだした途端に、党内から道州制論が消え、皆んな口にチャックを掛けて、何も言わなくなりました。然しながら、小沢さんの言う二層制では、国の統制が出来る訳が無いじゃあ有りませんか。
友愛も結構ですが、こういう時にこそ恐れず、小沢さんと真正面から対決し、道州制に関する党内のオープンな議論を醸成すべきだと思います。小沢さんの本質は、正論には素直に従う人だと思います。今こそ貴方が率先して、この今の党内の暗い空気を察知し、その解消を図らねば、何のための代表かわかりません。
(三)小沢幹事長 様
私が以前党大会の時、貴方に道州制をどう思いますかとお聞きしたら「良い道州制はいいが、悪い道州制はダメだ。」と言われました。何の事かさっぱり解りませんでした。何れにせよ、二層制で千も数百もある基礎自治体と中央政府とを直結させたのでは、収拾がつく筈がありません。又道州制をやりたい地域は自分でやればよい、と言うのでは紛糾するばかりでありましょう。之では中央集権制の弊害が何時までも残るばかりであり、貴方が大事に思う国民に、不安と混乱を与えるばかりであります。今こそ貴方が率先して一刻も早く、地域主権制の在り方に関する、党内のオープンな議論を誘導すべきでありましょう。
貴方の実力者振りの恐さは、党内に行き渡り過ぎております。自由な議論の明るい党内の雰囲気作りを、貴方こそが配慮しなければ、たとえ参院選に勝っても、党内は分裂し民心も離れて行くでありましょう。貴方は先般「今こそ自分が変らねばならない。」と仰いました。
又先に、貴方の代表辞任を勧告した党員を、何時までも恨むようなケチな根性では大成は致しません。その時の勧告は、見えざる多数の党員の声を、思いきって勇気を持って代弁した、極めて妥当なものでありました。そしてその勧告のお陰で、貴方が一旦引いた結果、今日の党があり、今日の貴方が有ると思うべきでありましょう。この勧告は寧ろ感謝すべきなのであります。茲は一番、実力者が真の大政治家になれるか、闇将軍で終わるかの分かれ目であります。
(四)原口総務相 様
貴方はマニフェストに謳はれた地域主権問題の責任者であります。そして上述の党内事情を、充分ご承知の筈であります。この党内の鬱積した空気を揉み解し、自由な議論を引き出す事は貴方の最重要な責務であります。然るに先の知事会では、小沢さんと同じで「先ず基礎自治体に権限を付与し、彼等が道州制を望むなら、それも結構だ。」と言う二層論を述べられました。之に対し橋下大阪府知事よりは「そんな事では百年河清だ。廃藩置県同様、中央で道州制を決めて一括指令せねばダメだ。」と言われましたが、誠にその通りだと思います。茲は一番、小沢さんと正面から向き合い、党内の自由な議論を引き出すべきでありましょう。それは貴方が将来、大成するか否かの分岐点であります。
民意尊重は勿論大事ですが、民意を汲み取る方法は、先の総選挙での貴党のマニフェスト同様、道州制を詳しくマニフェストに掲げ、それで信認を得たならそれは即、充分民意を汲み上げた事となるでありましょう。
(五)全国知事会 各位
11月25日の知事会と首相との会合でのご提言は、誠に時宜を得た至当のご提言だったと思います。然しながら、政府の今後の本件検討の進展如何によっては、将来県がなくなってしまうかも解りません。それにも拘わらず、一身を省みず、国民の為国の為、大改革をも恐れずのご提案には頭が下がります。
この歴史的ご提言を足場に、利害の異なる自治体間の足並みの難しさを克服し、本件の益々の推進を図られますよう、ご祈念申し上げます。そして、政府の歩みが鈍ければ政府を叱咤激励して頂き、又政府のスタデイを促進する為、具体的な道州の区分け試案など、自らご作成ご提供頂ければ誠に幸甚に存じます。
(六)マスコミ 編集局長、編成局長 各位
マスコミは本質的に中央集権制の廃止に賛成なのか反対なのか、よく解りません。それに基づく諸悪については、しょっちゅう報道して頂いていますが、マスコミご自身も亦、中央集権制による既得権のメリットを多々受けているでありましょう。その故か、時々申し訳程度に、道州制論を展開しておられますが、それも単発的で長続き致しません。 矢張り天下の公論のマスコミとしては、国民の為正々堂々と、長年の中央集権制の弊害を説き、併せて一刻も早く、その対極に有るべき道州制実現推進の啓蒙運動を、力強く継続的に精力的に、国民が道州制を理解したと思われるまで、徹底して行うべきではないでしょうか。何時までも中央集権制に恋々として、中立論ばかりでは、社会の木鐸たる資格はありません。
道州制が実現すれば、国会では憲法や防衛その他、国家的問題の討議のみに専念でき、地域の事は全て地域に任せられるのみならず、政治・経済・社会全般の全ての諸問題の解決に大きく貢献し、更に国会において、国民国家の理念や将来ビジョンも確立出来るという理想的な姿になるのであります。之こそ私共が道州制実現に注力する所以のものであります。
(七)以上本件に係わる皆様に、率直にご意見を申し上げました。皆様におかれましては率先して共同して、国民に一刻も早く、この国の進むべき道を明示して、国民を安心させるべきであります。勿論道州制の実現については様々な問題があります。それを一つ一つ早急に詰めて行かねばなりません。
幸い、道州制論に就きましたは、大前研一氏や江口克彦氏等の先達が、詳しい一般論を展開しております。皆さんは夫々のお立場で、これ等も参考にして、全地域夫々の具体論を確立し、つき合わせて最終版に持ち込むべきでありましょう。
以上縷々ご提言申し上げましたが、どうか私共の提言の意のあるところをお汲み取り頂き、乱文乱筆を深謝申し上げ、併せて各位のご健勝ご発展を心よりご祈念申し上げます。
早々