政治は進んでいる

生活者主権の会代表 小俣 一郎


 新党が続々と結成されている。自民党からの離党者も続き、4月の読売新聞の世論調査で「首相に最もふさわしい国会議員」の1位になった舛添前厚労相もついに離党した。

各新党のメンバー構成等を見ると、首を傾げるところもあるが、ほとんどは政界再編成を目指しているようだ。これは、自民党が下野したことにより政治が大きく動き始めたということだろう。

残された自民党にも変化が見え始め、国家公務員法改正案では、公務員問題への対応を不満として総選挙前に離党した渡辺さんのみんなの党に妥協し、 共同してより強烈な改革案を提出している。民主党に対抗するための変身だが、政策競争が活発化すること自体は実に良いことである。

一方、鳩山内閣というと支持率の下落が続き、30%を切るものも出てきている。カネや普天間の問題、また鳩山首相の発言の振れ幅が大きいこと等が要因ではあろうが、マスコミがそれらを迷走、 迷走と騒ぎ立てていることも一因ではないか。

その中で、週刊朝日の4月16日号に「民主党チェンジ(実はジワリ)進んでいる」という珍しく内閣を評価する記事が掲載されていた。9兆円の税収減という想定外の状況からの出発のために苦しんではいるが、政権交代への期待に応えるべく、地道な改善も積み重ねられているのである。

事業仕分けの第2弾や厚労省独自の事業仕分け等々も始まったが、これらもまさしく、政権が交代したからこそ実現していることである。

 普天間問題も、鳩山さんは沖縄の期待に応えようと努力しているわけであり、逆転ホームランの目がなくなったわけではない。

ともかく、長年にわたって積み上げられてきたシステムはそう簡単には変わらないのである。それこそ法律的に一つ一つ糸を解かなければならないものもある。日本国という大きな船が進路を変えるにはどうしても時間がかかるのである。

マスコミに振り回されることなく、 新しい政治の動きに注目していく必要がある。