官僚と闘う政治の注目情報(2010年7月・8月抜粋)

闘う政治を支援する委員会委員長 岡部 俊雄

1.民間大使外相が主導 丹羽氏中国に起用決定 外務省の人材不足

2010616日 日本経済新聞)

 駐中国大使に伊藤忠商事取締役相談役の丹羽宇一朗氏の就任が決まった。隣の大国への異例の民間大使起用は、外交のプロであるはずの外務省の人材不足をも映し出している。

 昨年9月の政権交代前から、岡田克也外相は主要国の大使に、民間人を起用する構想をあたためていた。中でも重視したのは、外務省特定グループの指定席のようになっていた中国大使だった。

 

2.建設弘済会を3年以内に解散 国交相方針、4千人を再就職へ201076日 産経新聞)

 前原誠司国土交通相は6日、同省OBが多数天下っている同省所管の公益法人「建設弘済会」について、「『民間でできることは民間に』という考え方のもと、業務から撤退してもらう」と述べ、事業を段階的に民間へ移管したうえで、3年以内を目途に解散させる方針を明らかにした。また同様にOBが天下っている「空港環境整備協会(整備協)」についても、事業を大幅に縮小する考えを示した。

 

3.<蓮舫行政刷新相>特別会計仕分けで法改正も2010718日 毎日新聞)

 蓮舫行政刷新担当相は18日のテレビ朝日の番組で、10月に実施する国の特別会計を対象にした「事業仕分け第3弾」に関し、「12年度の法改正を目指して(仕分け作業を)やろうと思っている」と述べた。各特別会計は法律に基づいて設置されており、抜本的見直しには法改正が必要だが、参院選で民主党が大敗し、法改正には野党との連携が不可欠。蓮舫氏は15日の記者会見で、仕分け作業への野党議員の参加に関し「いろんな可能性は否定しない」と含みを持たせており、事業仕分けを通じて野党との連携を呼びかける可能性もある。

 

4.国の出先機関職員6万人削減へ…総務相意向2010724日 読売新聞)

 原口総務相は24日、横浜市内で開かれた会合で、国の出先機関の原則廃止に伴う国家公務員の削減について、「6万人」を目指す考えを表明した。

 総務相は、削減方法について、「生首は切れない」と述べ、新規採用者の大幅抑制や定年退職による自然減によって実現する考えを示した。

 政府は今年6月に、国の出先機関を将来的に原則廃止するとした地域主権戦略大綱を閣議決定している。

 

5.やるじゃないか長妻大臣 2010727日 日刊ゲンダイ)

 長妻昭厚労相が23日に発表した幹部人事に、厚労省内が騒然だ。民主党マニフェストの目玉だった子ども手当の担当局長が更迭された。

 30日付で、局長職を解かれ、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」に出向するのは、伊岐典子雇用均等・児童家庭局長(53)。福岡出身で、東大法学部を卒業後に旧労働省に入省した才媛で、省内の女性キャリアとしては出世頭だった。

 伊岐氏は、出向先で研究職に就く予定。局長経験者が、現職のまま一般職員に出向するのは極めて異例で、事実上の左遷人事となる。

 「伊岐局長は仕事はマジメですが、融通が利かない。東大法出身らしく、前例踏襲主義の典型的な官僚タイプ。長妻大臣が自民党政権と違った政策を打ち出そうとすると、『ムリです』『できません』と抵抗する。長妻大臣とは事あるごとに対立し、常に議論は平行線でした」(厚労省事情通)

 長妻大臣は今回の人事で、従来よりも年次が若い岡崎淳一官房総括審議官(53)を官房長に抜擢した。大臣肝いりの省内事業仕分けで成果を挙げたのが、その理由だ。

 やっと、厚労省の人事も民間に近づいたということか。

(日刊ゲンダイ2010724日掲載)

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