自民党、野党2年目

生活者主権の会代表 小俣 一郎


 菅改造内閣で大臣始め政務三役のほとんどが入れ替わってしまった。各大臣の2年目に期待していただけに非常に残念である。民主党内閣でも、首相が代わるとやはりいろいろな政治力学が働くということなのだろう。

 しかし、政治主導を旗頭に、先頭に立って政府の運営を担ってきた各政務三役のこの1年間の経験は、自民党政権時代とはかなり異なった形で各政治家の身についたはずである。その経験は今後の新たな政治活動の展開において大いに役立つことになるだろう。

不満はあるが、ひとまずそれは置いて、今回の政務三役の大幅な入れ替えで、政府に入って実際の行政に携わる経験を持つ政治家の数がさらに増えるということを前向きに考えたい。

 さて、菅改造内閣を襲う荒波は依然高いが、ともかく民主党内閣は2年目に入った。そしてそれはついに自民党が野党2年目を迎えたということでもある。

細川〜羽田内閣は1年持たなかった。自民党は直ぐに与党に戻り、それまでの政治運営が結果的に継続することになった。日本の政治は、大きく変化する大切な機会を逸してしまったのである。

しかし、昨年の政権交代は、前回とは異なり、やっと実現した本格的な政権交代である。

多くの有力な議員がさらに自民党を離れていき、いま旧自民党勢力が多くの政党に分かれて存在するという状況になっている。

一方、自民党本体も幹部の若返り等々の変化を始めている。政権交代を機に、日本の政治はさらに大きく動いているのである。

自民党は長く日本の政治を支えてきた政党である。しかし、あまりにも長く政権の座にいたために、多くのしがらみができ、それが政治を歪めることにもなった。

日本の政治がより良くなるには自民党に脱皮してもらわなければならない。そしてそのためにはもう少し政権から離れていてもらう必要がある。

政権交代後の民主党内閣が行ったいろいろな、新たな試みは、官僚に代表される既成組織の予想以上に厚い壁に阻まれ、その意気込みにもかかわらず「3歩前進2歩後退」といった状況かと思う。しかし前には進んでいる。

事業仕分け第3弾ではいよいよ特別会計に切り込む。自民党政権ではできなかったことである。

新しいことに困難は付き物である。菅民主党内閣には、ひるむことなく、そしてしたたかに頑張ってもらいたい。