「新しい国のしくみ」を!
生活者主権の会代表 小俣 一郎
民主党が揺れている。また、首相が交代するのだろうか。
では、首相が代わって政局が安定するのであろうか。またもし総選挙が行われ、自公政権に戻ったとして、それで安定するのであろうか。そのときも、参議院はねじれたままである。
一昨年、民主党は総選挙で圧勝した。獲得議席は300を超えたのである。当然政局は安定すると思われた。
しかし、第二院にもかかわらず、巨大な権限を持つ参議院が存在することにより、衆議院で圧倒的な多数党の民主党が、少数政党に振り回されることになり、結局鳩山政権は崩壊した。
鳩山さんが首相になることを前提に国民は民主党政権を選んだのである。それが1年も経たないうちに退陣に追い込まれてしまった。もちろん、本人の資質に問題はなかった、とは言わないが、安倍さん、福田さん、麻生さんと自民党政権でも最近は皆1年である。単なる首相の資質の問題ではなく、制度自体の問題と言わざるを得ない。
藤井官房副長官が、「参院は今のままならいらない」と発言したことに、自民党を中心に参議院軽視との反発が広がり、西岡参議院議長も不快感を示した。しかしその西岡議長も、衆院選に落ちて参議院に鞍替えした経歴を持つ。昨年の参院選でも、前年の衆院選で落選した自民党議員が多数、参議院議員として国会に復帰している。小泉郵政選挙後の民主党にも同様の現象があった。
現実問題として、至急、参議院のあり方を考え直さなければならない。
また、国に権限・財源が集まり過ぎていることも至急解決しなければならない大きな問題である。予算関連法案が通らないと地方が困ると言われているが、それは地方が国の補助金に依存しているからである。
それを打開するために地方分権が叫ばれて久しいがそれがなかなか実現しない。国の権限・財源・人の「受け皿」の問題が大きな壁になっている。
そこで発想を変えて、官僚が文句の言えないほど「大きな受け皿」をつくるのはどうだろうか。
日本を東西2つの州に分け、そこに内政の多くを移し、トップリーダーを直接選挙で選び、4年間を任せる。私はそのような大胆な改革が必要だと考えている。
ともかく、「新しい国のしくみ」を考えだして、それに変えなければならない。