危険の分散が必要だ

生活者主権の会 代表 小俣 一郎


 過去の経験から、巨大な堤防を築き、防災訓練を繰り返し、体制を整えていたあの三陸沿岸の街々でさえ、巨大津波にのみ込まれてしまった。改めて自然の力を思い知らされた。

これまでの経験に基づいた想定はすべてやり直さなければならない。これからは、これまで以上に被害を覚悟した上で、いかにすれば被害を最小限に抑えることができるかを念頭に、優先順位を再考して、対策を考え直す必要があるだろう。

 そしてそのように考えた場合、現在のこの過度に集中した首都圏をどうするかということが一番の課題となる。

2036年までの間に70%の確率で首都直下型地震が起こると推定されている。その被害想定も中央防災会議は行っているが、それをも大幅に超える被害の可能性を否定できない。

また近年は台風も巨大になり、集中豪雨も増えてきている。首都圏には多くの低地が存在する。

被害を最小限に抑えるためには、危険を分散させることが必要だ。首都圏に集まり過ぎた人を、物を、移動させることが必要になってくるだろう。

たいへんな難題だが、これがこれからの日本の最大の政治課題となるのではないか。

皆で真剣に考えなければならない。