まず国政を分ける
生活者主権の会代表 小俣 一郎
また首相が代わるが、いつまで持つのだろうか。
近頃は、参議院に力があり過ぎるという日本型議院内閣制の欠点を指摘する論評も多く出て、この制度的な欠陥を何とかしなければという声が大きくなってきている。
その中で、対処方法としては、国の権限の多くをできるだけ早く地方へ移行し、国会の力を相対的に小さくすることで参議院の暴走を防ぐ、という方法がやはり最良だろう。
まず2つの大きな州をつくり、そこに現在国が行っている内政の多くを移し、国は外交・安全保障と最低限の社会保障等を行い、内政は州が行うことにする。混乱を避けるために、現在の都道府県や市町村は当面はそのままにしておけばよい。
変革の過程として、政治は一時4層になるが、これによって内政の多くをいまの不安定な状況から切り離し、直接選挙で選ばれた、4年の任期が担保されたリーダーに託すことができる。内政の多くは安定するはずである。
また現在の国政を国と州に分け、外交と内政の多くを別に選択できるようにすれば、国民に示される選択肢もよりはっきりしてくる。現在のように思惑が複雑にからみあった民主・自民両党もそれに合わせて枠組みを変化させることだろう。
州の機能を整えるのと並行して、現在の都道府県の権限は基礎自治体に移行していく。それが終われば都道府県の政治的役割は終了する。その段階で、日本の政治制度はすっきりしたものになる。
もし2つでは州が大き過ぎるというのであれば、その次の段階で州を細分化すればよい。
まず国政を外交と内政に分け、内政は2つの大きな州に移す。次に基礎自治体を強くしていき、地域が主体となる仕組みをつくる。これが日本を変える近道ではないだろうか。