直ぐに政局にならない政治を!

生活者主権の会 代表 小俣 一郎


参議院でまた問責決議案が可決された。

参議院で問責が可決されたのはこれまで合計で9回。その内、何と6回が、民主党が先の参院選に負けてからで、この2年間の出来事である。

政権奪回のため早期の総選挙を目指す自民党にとって、参議院のねじれを利用して倒閣を仕掛けるのは当然のことかもしれないが、本質論として、解散のない、6年の任期が担保された「第二院の参議院」が、法案審議を拒否して政局にのめり込むのは問題である。

 今回は公明党との足並みがそろわず、自民党も妥協する道を選び、国会が全面的に止まることはなさそうだが、いずれにしても、この参議院が強過ぎるという日本の政治システム上の欠陥は何とかしなければならない。

しかしこれが憲法に裏打ちされたものであることが問題をやっかいなものにしている。我が国で憲法を変えることは容易ではない。

 そこで、国と都道府県の間に、新たに2つの大きな「地方自治体」を「州」という形でつくり、そこに国の権限の多くを移してしまうことでそれを解決しようというこれまでにない提案が、当会の道州制実現推進委員会が今回小冊子にまとめた「大統領制型東西2大道州制」である。

 国の役割を、外交・安全保障、金融・通貨、最低限の生活保障・年金、皇室、司法等に限定することで、つまり国会の役割を少なくすることで、直ぐに政局になってしまういまの政治システムを変革するわけである。

そうなれば、国家的見地から国の運営をどうするかが国会における議論の中心となり、国会議員にはその分野に強い議員が選ばれことになるだろう。当然、大臣が「しろうと」などということはなくなる。

参議院は政局を離れ、その特徴を生かし、長期の問題に取り組むことになるだろう。