選択肢の整理を
生活者主権の会 代表 小俣 一郎
民主・自民・公明の3党が合意し、消費税の増税法案が衆議院を通過したが、与党民主党からは多くの造反者が出た。
衆議院で多数を占める第1党が大きく妥協しなければならないことには当然不満だろう。だが、妥協しなければ前に進まないのが「ねじれ国会」の現実である。
これで民主党のさらなる分裂は避けられそうにないが、不安定要素が増え、国政はさらに混乱することになるだろう。
すぐに選挙ということになるかもしれないが、政党がさらに乱立すれば、政策の違いが実に複雑になる。また、勢いのある「維新の会」にしても国政においては未知数が多い。
いま選挙を行えば、国民は何を基準に選択したらいいのか困るのではないだろうか。
そもそも、国に権限が集中していることが政治を複雑にし、国民の選択を混乱させている。
当会は「大統領制型東西2大道州制」の実現を推進しているが、この制度の最大の目的は「政治の役割分担」である。政治を整理し、権限を国から地方に移し、選択をしやすくするわけである。
しかし、いまは本格的な改革を落ち着いて検討できるような状況ではなさそうである。
ならば、せっかく3党で合意ができる土壌ができたのだから、選挙の前に、地方分権についても3党で協議してすこしでも前進させてはどうか。3党とも地方分権の推進を打ち出しているわけだから、やる気になればできるはずである。
合意できるところは進め、できないところは鮮明にする。選挙の前に選択肢をできるだけ整理することも政治の大きな役割だろう。
(24・6・27)