外交と内政を分ける

 

生活者主権の会代表 小俣 一郎

 


「そもそも、国に権限が集中していることが政治を複雑にし、国民の選択を混乱させている。

 当会は『大統領制型東西2大道州制』の実現を推進しているが、この制度の最大の目的は『政治の役割分担』である。政治を整理し、権限を国から地方に移し、選択をしやすくするわけである。」

 上記は193号の巻頭言にも書いた文である。

ここのところ似たようなことを繰り返し書いているが、竹島・尖閣諸島の問題でいま外交が大いにゆれているので、今回も書いておきたい。

 2大道州制では、国の役割を、外交・安全保障、金融・通貨、最低限の生活保障・年金、皇室、司法等に限定することを提案している。極端にいえば、国は外交を担当し、内政は州が担当するわけである。それによって、いまの複雑に組み合わされた選択肢を整理するのである。

 民主党にも自民党にもいわゆる「ハト派とタカ派」が存在する。また、内政においてもその政策の幅が広い。だから、内政を基準に投票したら、外交は違う方向に行ってしまった、といったようなことが起こるわけである。

 もし、国の主たる役割を外交・防衛等としてしまえば、それが国政選挙での最大の争点となり、国会議員はそれを基準に選ばれ、国民の外交に対する意識がはっきりとする。当然、首相がコロコロと代わることもなくなり、他国と同様に、国民の支持を背景に、長期的な視点で外交にあたることができるようになるだろう。

 内政は、直接選挙で選ばれた「州知事」が舵を取り、首相は外交を担当する。そのような役割分担を行い、国民の選択肢を整理することが、いまの日本に最も必要なのではないだろうか。