なぜ越後湯沢の視察旅行を実施したか?

 

21世紀のライフスタイルを考える委員会

 

 

2017812日付の朝日新聞朝刊に人口減少を背景に日本の不動産市場は二極化が進んでおり、過疎化が進む地方では資産価格が暴落し、ただ同然でも買い手がつかず不動産の「負動産化」が進み、資産価値がマイナスになったリゾートマンションを買い集める大阪の不動産業者が紹介されていました。新聞記事には長岡市在住の男性がこの業者に約115万円を払って新潟県越後湯沢のマンションを手放し、物件を引き取った業者は「管理組合が聞く耳を持たない場合、管理費を支払わないで交渉するケースがある」としてマンション管理費を滞納する実態が報告されています。

「資産」価値が無くなるマンションの所有者が管理費の支払いを拒否するのは必然の成り行きです。マンションの管理費滞納が増えれば、そのコミュニティーは崩壊に向かうことになるでしょう。

 

大前研一氏は著書「低欲望社会−大志なき時代の新・国富論」(小学館刊)の中で寂れた観光地を再生させる方法を提案しています。

日本では「かって賑わった観光地ほど、今は閑古鳥が鳴いている」とされ、その象徴がスキーリゾートとして賑わった新潟県の越後湯沢であると述べています。

「もはや越後湯沢に希望はないのか?そう問われれば、全くそんなことはない」「アジアの一大リゾート地に再生することは十分可能だと思う」とも述べています。

 

カナダ国内第3の大都市バンクーバーの北部に立地するスキーリゾート、ウイスラー・ブラッコムはスキーができない夏でも訪問客で賑わう観光地になっています。大前氏の提案は「越後湯沢はカナダのウイスラーに学べ」というもので、世界の富裕層が訪れる場所に変えることができれば越後湯沢はアジア随一のスキーリゾートになる可能性があるとしています。

 

越後湯沢周辺は四季の変化と山河の地形変化に富み、温泉も湧く景勝の地です。

人口約8000人の湯沢町は東京都湯沢町とも呼ばれ、町内に二つの新幹線の駅を持ち東京都心から約80分で行くことのできる二地域居住に適した場所です。JR東日本から訪日外国人旅行者向けに1万円(子供には5000円)で販売されるJR Tokyo Wide Passも利用可能です。「負動産化」したリゾートマンションを多機能のホテル&コンドミニアムにつくり変え、越後湯沢を世界の富裕層が訪れるリゾート地に変えることができれば大きなビジネスチャンスをもたらす可能性があります。

その可能性を調査するため越後湯沢の視察旅行を実施しました。今後もこの視察旅行は継続を予定しています。