本「実現戦略」は、「戦略特別委員会」(委員長:
大谷和夫)にて答申された「原案」を、運営会議で
数度にわたり十分討議し、一部修正を加え決定され
たものである。
平成維新実現までには、10〜30年の年月が掛かる
ことが考えられるが、その長丁場における、現時点
で考えられる戦略的要素が、網羅的に記述されてい
る。従って、これらの戦略的要素を有効な組合せで
着実に実行して行けば、生活者主権の会の目的であ
る「平成維新が実現」するように組み立てられてい
る。
しかし、今後の情勢の変化に応じて、また、より
良い戦略的要素の発見などにより「本戦略」を修正
・追加することも重要であり、必要に応じて見直し
を行う必要があろう。
また、実際の行動計画として、本「実現戦略」を
基に、「戦術計画」「作戦計画」を作成し、具体的
行動につなげて行くことが肝要であることは言うま
でもない。
[1]目標の明確化
平成維新の実現とは、生活者主権の「良い国」の
実現を目標としているが、具体的には何かというこ
とを明らかにする必要がある。「生活者がまじめに
働けば、老後も物心両面で豊かな生活が送れるよう
な国」或いは「平和・豊か・安全・公平・安心」と
いうような、やや抽象的な表現もある。しかし更に
具体的に検討すると、安全保障・法治主義・地方自
治・民主主義といった面では先進諸国に比べて尚現
状は立ち遅れており、一方情報化・国際化・高齢化
・環境保護といった最近の世の中の流れに対して対
応が不十分と思われる。これらを勘案すると、最終
目標として次のような国の仕組みや状態の実現が目
標となる。
1.安全保障:国防だけでなく、治安、防災、エ
ネルギー、食糧についても安全保
障を確立し、平和で安全で安心で
きる国とする。
2.法治主義:法律は常に見直し、勝手な解釈や
裁量を除き、国際的にも公平なも
のとし、情報公開や司法の強化に
よって公正な国とする。
言論の自由や人権の尊重は守られ
なければならない。
3.市場経済:情報革命に適応した産業ヴィジョ
ンを確立した上で、保護主義や規
制を撤廃し、市場の開放、自由競
争によって経済を活性化し、生活
の質の向上、コストや物価の低減
をはかり、活力ある経済社会を実
現する。
4.地方自治:中央集権体制を解体し、全国を10
程度の自治体連合体制とし、健全
な自治体・コミュニティを確立し、
行政の経営を合理化し、地域環境
保全のため廃棄物の減少と再生化
をはかる。
5.民主主義:政策中心の政治活動と投票率の向
上により、主権者の意思の反映し
た生活者主権を実現し、国民投票
や強力な指導者の直接選出を可能
とする。
6.福祉行政:高齢化に対応した年金・医療・介
護の充実と長期保障により、老後
の生活設計を安定的に行えるよう
にする。
7.国際貢献:国連憲章を遵守し、国際的規制に
協調し、貧困国・災害国支援や地
球環境保全で貢献し、その行動で
諸外国から信頼と尊敬を受ける。
以上の目標を実現するには、国民の意識が伴わな
いと成功しないが、これには長期に亘る教育や啓蒙
活動を必要とするであろう。しかし運動の目標とし
ては国の仕組みや状態を主眼とし、更に今後これを
長期・中期・短期的目標に仕訳して明確に定義する
作業が必要である。
[2]実現方策の策定
目標実現方策として種々の方策が検討されたが、
これを整理して体系立てると次のようになる。
1. 基本作戦:すぐにでも実行できる作戦である
が、最終的には後に述べる作戦との組
み合わせが必要である。
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1-1 .世論誘導作戦
情報公開により不合理な事実を指摘・
公表して大衆の関心を呼び起こす。
マスコミの活用、ホームページの魅力
化により、我々の主張のPRを行う。
政治家・政府・自治体への陳情を集団
的、波状的に行い、意思表示する。
タイムリーに問題が発生したら、それ
を利用してアピールを行う。
一般市民に対しても宣伝ビラを配布し
て少しでも関心を呼び起こす。
投票率の向上を義務化を含めて働きか
け、主権者の意思を国政に反映させる。
1-2. 外圧利用作戦
日本の不公正な実態、それに伴う物価
高、官が民を食い物にしている実状を
挙げ、改善を希望する旨市民の立場か
ら文書で、外国メディア・国際機関・
主要国の在日公館へ訴え、外国からの
圧力を利用して改革を推進する。
2. 自力作戦:基本作戦の仕上げとして、理想的
ではあるが、やや実現が難しいと思わ
れるが、自力で最終目標を達成する作
戦として次の二つがある。
2-1. 生活者党立ち上げ作戦
各種市民団体と共同して生活者主権の
政党を立ち上げ、全面的に応援する。
次善の策として生活者を重視した政党
の強化に協力し、改革を実現する。
2-2. 圧力団体化作戦
会員数を著増して選挙結果を左右する
票を確保し、政治家を制御する。
その為にNGO またはNPO として組織を
法人化して対応する。
3. 他力作戦:自力作戦の代案として、効果は薄
いが実現性の高いものと評価する。
3-1. 既存政党利用作戦
改革的勢力を応援強化して利権中心の
政治を改革する。
改革政党に対して、我々の目標が実現
するようチェックして行く。
3-2. 自治体首長連合作戦:設立まで手がけれ
ば自力作戦と位置づけられる。
自治体改革の実績のある首長が連合し
て国政改革に向かうのを支援する。
若い市長候補中心の自治体首長連合党
ができたら、これと協力連係する。
[3]当会の発展策
以上の目標実現作戦を遂行してゆく為には、そ
の前提として当会の体力を強化しておく必要があ
る。その為に次のような行動が必要となる。詳細
は更に詰める必要がある。
1. 運動方針の明確化
時期・時期に応じ、情勢の変化に対応して、
会員の討議により目標達成の手段として取
り上げる運動方針を明確化し、当会の意思
統一と力の結集をはかる。
2. 会員拡大運動
目標と運動方針を明記した会員勧誘ビラを
作成する。
親戚、友人、知人、近隣に、又街頭でビラ
を配布して会員の勧誘を行う。
特に次代を担う若者や女性に共感の輪を拡
げる工夫をする。
年度別目標人員を策定し、目標の達成をは
かる。
3. 組織・運営の改革
会員制度を改革する。活動会員と賛助会員
とし、会費や会報発行回数を設定する。
本部が支援して地域に密着した支部組織を
確立し、漸次拡大をはかる。
会員数の増加に対応し、本部として事務所
を設け、専従職員をおき、法人化の計画を
建て、時期をみて実行する。
4. 全国展開と目標の実現
ある程度目途がついた段階で、全国の市民
団体と連係し、運動を全国展開する。
最終的には、生活者主権を唱える政党に政
権を獲得させ、これを支援し、監視し、最
終目標の実現を達成する。
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